「無機的体験を有機的体験にする。」
無機的体験、有機的体験とはなんぞや?と思いますよね。
無機的体験は目に見えているけれども、体験しているけれども、頭の中に残っていない体験のことです。
例えば、今朝目が覚めてトイレに行き、洗面所に行き、顔を洗い、歯を磨き、
というルーティーンがあったとします。
「あぁ、あったな」と思い出せると思いますが、言われて初めて思いだせるということは
記憶にすら定着していないことです。
例えば先週火曜日の朝のルーティーンで記憶に残っていることは?と聴かれても、
「え~と、え~と、いつも通り」みたいな感じで何も起こっていません。
ただ、そこに鏡を見て「あれ?白髪増えてきたな。やばくない」みたいに危機感を抱くと、
それは通勤電車に乗っている時にも、「朝、鏡で白髪見つけてテンション下がるな~」みたいに想い、
記憶に残る有機的体験になります。
記憶に残らない意味のない体験を無機的体験、記憶に残り意味のある体験を有機的体験と言います。
そして、人の人生のほとんどは無機的体験が占めています。
例えば、今、皆さんがスマホやタブレットでこれを読んでいる時、皆さんの視界にはスマホの向こう側の
景色も映っていますが、意識はスマホにしか向いていないので、
その背景は無機的体験になっているんですよね。
これをキャリア相談に当てはめると、学生がレジでアルバイトをしたけど、誰でもできるし、
大したことがないと言ったとします。それをキャリコンが「確かに」と思うと、
アルバイト経験は無機的体験になります。
一方で「じゃあ、レジのバイトをし始めた初日からできたの?」「辞めようと思った体験とかないの?」と
聴き、初日のバイトから今まで工夫してレジを覚えたり商品を覚えたり、クレーム対応した経験を
語った後に「それって、頑張っていない?そんな頑張れる人を欲しいって企業あるんじゃない?」と言って
「そうですか?」と言いながら嬉しそうにして自己PRを作り出すと、
アルバイトが有機的体験に変わっていくのです。
面白いですよね。
是非とも無機的体験を有機的体験にしていきましょう!