アンコンシャス・バイアス

クイズから始めます。

ある夫婦がマンションで2人で暮らしています。

その家に、夜、管理人が訪ねてきました。

下の階で水漏れが起こっているので調査をしたいとのことです。

水道工事の業者1名と一緒に管理人が水回りを見始めました。

 

さて、現在、この家には4人いますが、その内の何人が男性がいるでしょうか?

少し考えてみてください。

 

 

この質問はアンコンシャス・バイアス(unconscious bias)のセミナーで使いますが、

アンコンシャス・バイアスをご存知でしょうか。

これは、日本語で「無意識の偏ったモノの見方」のことです。

他にも、「無意識の思い込み」「無意識の偏見」「無意識バイアス」等と表現されることもあります。

 

そこで先ほどのクイズの解答に戻りますと、答えは「分からない」です。

管理人は男性、水道工事の業者は男性と思い込むと3人と答えるかもしれませんが、

女性の管理人もいますし、女性の水道工事の業者もいるかもしれません。

  

こんな風にアンコンシャスバイアスができる理由も以前からも何回か触れましたが、

人の脳はいちいち考えるとエネルギー消費が激しく、

いざという時に考えられない状況を防ぐために自己防衛としてバイアスを持つようになっています。

 

では、これは仕事でどんな弊害は生み出しているのでしょうか?

現在の日本の評価制度は「能力主義(個人の能力によって評価・処遇する)」が

76.9%とトップになっています。

 

一方で、パーソル総合研究所の調査では、部下への人事評価に対して、

「目標達成率」「労働時間」という業務以外の間接的要素の影響を100とした場合、

上司との「対話頻度」が40.2%、「年齢」が24.0%、「未既婚・子供有無」が

14.8%影響するという結果が出ています。

 

能力主義と言いながら、目標達成率以外の項目が4割も影響しているのです。

特に対話頻度は、上司は自分の価値観に近い人と話す頻度が多いので、

結果的に成果主義と言いながら感情主義で決めている割合が強いのです。

 

つまり、アンコンシャス・バイアスが結果的に、評価にも左右しており、

それを放置すると、差別に繋がるのです。

 

だからこそ、この改善が必要ということですね。