童話「もみの木」

もうすぐクリスマスで、街のあちこちで「もみの木」を見かける時期ですね。

 

デンマークの詩人・作家であるハンス・クリスチャン・アンデルセンによる

文学童話『もみの木』というものがあります。

 

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物語の主人公は、町はずれの森に立つ一本の小さいもみの木です。

周りの木々を見ては、いつも<早く大きくなりたい>と夢見ていました。

 

自分の頭を野ウサギが軽々と飛び越えては悔しがり、切り倒されて出荷されていく木を見ては羨んでいました。

「若い今を楽しみなさい」とお日様や風にいくら諭されても、

もみの木は素直に受け入れることはできなかったのです。

 

ある日、念願だったクリスマスツリーとして立派な家に飾られました。

しかし<明日はもっと・・・>と未来を想像したり、過去を悔やんだりしていました。

そのまま最後に燃やされてしまうのです。

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未来を夢見たり、過去を省みることも大切ですが、「今」を見失ってしまうと、

もみの木のようにないものねだりになる可能性があるのです。

 

これは最近はやっている、幸せや健康を体感するための「マインドフルネス」に通じる考えかなと思います。

 

この「マインドフルネス」とは「今に心が満たされている状態」であります。

これの逆で「マインドレス」という状態があり、「今に心が満たされていない」とされ、

いわゆる過去の事を後悔していたり、未来のことに不安を抱いて、

まったく今に心が満たされていない状態のことを言います。

 

まさに、この「もみの木」は一生を「マインドレス」として、

幸せを感じることなく終えてしまったのかもしれません。

 

凄く悲しいことですよね。

 

今に目を向け、今の自分の良い所に目を向けながら、

幸せをかみしめたいと、街中の「もみの木」を見ながら感じました。