悪貨が良貨を駆逐す

「悪貨が良貨を駆逐する」という言葉があります。

 

「名目価値が同じ良貨と悪貨が同時に流通すると、

 やがて良貨はしまい込まれ、悪貨だけが使われるようになる。」と言う意味です。

これを先日、セミナーで使っている方がいました。

 

そのセミナーはある整体などをおこなうマッサージ師でした。

例えば新米のマッサージ師がいたとして、資格を取った方のばかりが「プロの整体師です」と名乗って、

「無料でマッサージ10分します」と伝えて、マッサージをしたとします。

 

新米なので、力加減も分からず、痛いという点を「凝っていますね!」とマッサージをして

「これで明日は楽になります!」伝えて、翌日に実際に痛めてしまうと、

『二度とマッサージは行かない方が良い』と思われてしまいます。

 

そして、マッサージは安い所だと500円以下の所もあり、

本当に身体を解きほぐすマッサージが追い込まれているとも言っていました。

名目的には「マッサージ」は一緒なので、どんどんと良いマッサージが減り、

危機的な状況があるので、マッサージ師は技術の向上と、営業力が問われる時代と言っていました。

 

これはマッサージだけではなく、キャリアコンサルティングなどの相談も同じだと思います。

 

「プロのキャリアコンサルタントです!相談に無料で乗ります!」という人もいます。

その人たちが話を聴かず、アドバイスばかり行って、「これで問題解決ですね!」とすると、

相談した人は「キャリコンって上司の説教と一緒だな・・・」みたいに思ってしまい、

それが広まってしまいます。

 

そしてこれらの一番の問題は、悪貨が悪貨と思っていないことです。

自分は「良いモノを提供している!」と思っているのです。

 

私も私自身が悪貨になっていないか、良貨になって、

きちんとした価値を提供できているのか、振り返って考えていきたいと思います。

結構、グサッとくるセミナー内容でした。