持論ではなく理論

「愚者は体験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉があります。

これはどういうことでしょうか。

 

例えば、新型コロナが流行りだした際に、自分自身の体験で判断するなら、

今まで数年続く感染病なんて想像できないし、風邪やインフルエンザが流行るのは冬場だけなんで、

夏には何ともなくなるだろうという体験になります。

 

実際に多くの方はそんな風に考えていたのかなと思います。

しかし、夏場に収まることはなく、すでに2年以上も続いていますね。

 

一方で賢者は歴史に学ぶそうで、ある人は感染病として世界的に猛威を振るった

スペイン風邪を調べたそうです。

当時のポスターにはマスクをつけようとの記載があり、

スペイン風邪は終息に3年かかったそうです。

 

そう考えると、感染病は季節での流行りがあるわけではなく、

場合により終息に3年かかるかもしれないと考えたそうです。

そこで自分の会社が3年間、継続できるように準備を整えていき、

結果的に同業他社がつぶれる中でも、その会社は生き残っています。

 

私は体験で考えて夏には終息するんじゃない?と思っていたので

愚者であることがわかりました。

そして、今、愚者であるからこそ、今後、どうするかを考えることが出来るわけですね。

 

別の言葉で、「持論より理論を」という言葉があります。

誰か落ち込んだり、失敗した人に、自分の体験談からアドバイスをする人がいます。

その体験談は自分だけに通じることかもしれません。

そのため、ただの「持論」なのですね。

 

そうではなく、色々な体験を統計として集め、その中で共通する部分を抽出しまとめたものが

「理論」になっていき、多くの人に通じるものになっていきます。

 

人に対してアドバイスをするのではなく、理論を通してかかわっていき、

完璧じゃなくても、より多くの人が元気になる方法をお伝えしたい。

 

そんな歴史や、理論を大事にしていきたいと思います。