自己概念

スーパー(Super, D. E.) という方がいます。
この方は「個人の行動は、その人の自分自身に対する認知と
自分の置かれている状況に対する認知、
および個人が自分の世界を解釈する仕方によって規定される」(1969)と
考えました。
何だか難しいことを言っていますね。
まず自分自身に対する認知というのは、自己概念という言葉に
置き換えられます。

自己概念とは、「自分はどういう人と思っているか」です。
例えば、「おしゃべりしていると楽しいと感じる」などや
「前向きな性格」「落ち込みやすい」などが、
自己概念と思って貰えれば大丈夫です。

自己概念は、これは今まで生きてきた中での
様々な経験から出来ています。
 
そして、自分の置かれている状況に対する認知とは、
自分の状況と考えて貰うと良いです。
A「今は大学3年生で就職活動が始まる」
B「主婦で二人の子供を育てて毎日が忙しい」
C「病気でしんどくて、動き回ることが出来ない」
などですね。
実は、視点を変えると違う見方もできますが、
自分が思う「自分の状況はこれだ!」ということが
自分の置かれている状況に対する認知です。
この自己概念と、自分の状況により人の行動は決定します。
例えば「自信がない」という否定的な自己概念を持っている状況だと、
Aさんは「就職活動なんで絶対に決まらない、どうしよう」
Bさんは「もう無理。潰れてしまう」
Cさんは「こんな自分、もう駄目だ」
と考えます。
一方で「自分なら大丈夫」という肯定的な自己概念を持っている状況だと、
Aさんは「就職活動はきっと大丈夫。楽しもう」
Bさんは「忙しいけど、二人の子供の成長を見守れて幸せ」
Cさんは「生きているだけで、偉い」
と思います。
さらには、違う認知(考え方)があったとすると
こんな考え方になるかもしれません。
Aさん「今は大学3年生で就職活動が始まる」
⇒大学3年生で最後にたくさん遊べるチャンス
Bさん「主婦で二人の子供を育てて毎日が忙しい」
⇒毎日忙しいからこそ、手を抜ける所を考えよう
Cさん「病気でしんどくて、動き回ることが出来ない」
⇒家で楽しめることをまとめて、
 同じように動き回れない人へのヒントにしよう。
このように同じ状況があっても、
自己概念と、状況の捉え方により
行動が大きく変わります。
自分にとって良い自己概念と、
良い状況への捉え方を
是非とも身に付けたいですね。