失敗の概念

失敗や挫折は辛いものです。
それで心が折れてしまって、なかなか動くことができないということは
相談者の方からよく聞きますし、私自身もよく経験があります。

私も失敗はしたくないですし、どんどんと成功だけを経験したいと思います。
ただ、残念ながら、そう思った通りにはいきません。
失敗の度に、心が折れそうになり、もう嫌だ、辞めたいと思ってしまいます。

最近、この気持ち、考えをどう克服するのかと考えていましたが、
ふと気付いたことがあります。

もしかすると、失敗に関して私たちは負の印象を持っているのではないでしょうか。
成功は良いもの、褒められるもので、
失敗はダメなもの、恥ずかしいものという感じです。

小さい頃から、成功する子は褒められて、
失敗する子は何も言われなかったり、残念がられたり、場合によっては怒られます。
そうすると、子供は横で褒められた子を見た後に
自分が何も言われなかったり、残念がられると、それを悪いことと捉えて、
失敗=悪いこと=避けなければいけないこと。という風な概念ができるのではと思います。

もちろん、成功した子供も、隣で失敗して何も言われなかったり、残念がられる子供を見て、
失敗すれば、こんな扱いをされるんだと代理学習をして、
失敗を避けようとするか、成功するために努力しようと考えるのだと思います。

それを数年(場合により幼稚園〜大学生で15年)掛けて定着させられるので、
失敗を何としてでも避けたいと考えるようになり、
挑戦しないという行動を積極的に選んでしまうのかなと思います。

一方で、挑戦して失敗することを褒められて育った方は、
失敗に対しての恐れがなく、どんどんと挑戦して失敗し、
その失敗も大いに笑った後に、次の挑戦に取り組むのです。

中には、自分の好きな事に没頭して、大人からの褒められたり残念がられる目線を気にせず、
周囲の子供と自分を比較することもなく育つ方もいます。
ただ、それは残念ながら、そんなに多くはありません。

そんな風に育った子供が大人になってから、失敗しても良いから挑戦するように、
失敗から学ぶようにと言われても、戸惑います。

無意識下に定着してきた概念を、気付いてもいないのに、払拭しようとしても無理な話です。
何年も行動し続け、恥をかき続けて、ようやく少しずつ失敗する事に挑戦できるようになるのかなと思います。

その為、もしかすると失敗への恐れに関しても、
自分の誤った概念を修正する認知的アプローチで、変えていけるのではないかと考えました。

もしこの失敗への恐れが変えられるなら、行動しなくて後悔する事を少しでも避けて、
多くの方の人生を好転するのでは、そんな風に考えた今日この頃です。