自己概念

人は自分が思っている以上に、無意識の影響を受けます。
例えば、自分がどういう人かという自己概念があります。
これは、自分自身がどう感じているのかという自己認識以外に、
他人がどういう風に見ているのかという他者認識にも影響を受けます。

例えば、皆さんは世界の裏側で貧困に苦しめられている方を助けるための募金活動があったとします。
協力をするでしょうか。

積極的に協力しない方が多いのかなと思います。
わざわざ募金の為に、家を出る支度をして、
10分掛けて駅前に行き、募金をして帰る方はめったにいないと思います。
もし、いらっしゃるのであれば、とても素晴らしい方だと思います。
では、そんな方に、事前にあるアンケートをお願いします。
世界の裏側で貧困に苦しめられている方を助けるために、
お名前を書いて下さいと。
そこで名前を書いた方に、再度、募金をお願いします。
そうすると協力をする方が増えます。
これはフット・イン・ザ・ドアという徐々に要求を提示するテクニックです。
ただ、ここでの変化は単純にその場でだまされたということで終わりません。
この募金から数日後に開催される、世界の裏側で貧困に苦しめられている方を
理解するためのセミナーに来てほしいとお願いをします。
募金を終えた方は、空返事で「分かりました」と言ってチラシを受け取って、
後で行かないという選択肢を選べます。
しかし、ある実験では6割以上の人がセミナーに来たそうです。
アンケートや募金を挟まない時には1割にも満たない人しか来なかったものに、
boki半数以上の人が参加をしました。
何故でしょうか。
これは、本人にとっての自己概念が変化し、
自分は貧困に苦しめられている方に興味がなかったにも関わらず
様々な行動で、自分は興味があると自己概念を無意識に変化させてしまったのです
そして、この自己概念に沿うように行動し、セミナー参加に至りました。
人は常に自分はどういう人か振り返り考える人はいません。
しかし、「自分は優しい」「自分は粗野だ」「自分はどうせ出来ない」そんな無意識の自己概念に合わせて人は行動します。
さらに、外部からの行動への影響で、その自己概念は簡単に変化します。
自分はどういう人か、一度、自己概念を理解しておくと、

 

自分の行動を制御することも簡単になるかもしれません。