失敗で終わらせない。

失敗体験を積み重ねると、多くの方が自己効力感が下がり、さらに失敗しやすくなります。
「どうせ、失敗するし」と考えて、一度だけ挑戦し、
「やっぱり、失敗した」と一度の失敗で終えてしまうことがあります。

ただ、一度の挑戦で成功できるなんてことは、本当に稀ですが、
失敗を多く積み重ねていると、成功する人はどんな時でも成功して、
自分はいつも失敗してしまう、そんな風に思ってしまうことも多いです。

大切なことは、失敗で終わらせないことであり、
そして、失敗体験を積み重ねる前に成功体験をしてもらうことが本当に大切だと思います。

この時に大切なことは、成功は必ずしも結果の残った成功である必要はありません。
本人の中で「自分はここまで取り組んだ!」と思うことができれば、
例え、他の人から見て成功と思えなくても、本人の中では成功体験のように思います。
逆にいうと、他人から成功に見えたとしても、本人が成功と思っていなければ
成功にはなっていません。

大切なことは、対話をする事で、きちんと自分なりに考え、努力し取り組んだ事で、
成功したんだという成功体験を残す必要があります。
そして、1番大変だと思うことは、失敗体験が身に付いてしまい、
すぐに諦めがちになった方の中に変革を起こすことです。
きちんと色々とできるポテンシャルは持っていらっしゃる方が多いのですが
本人の中では、そのように思っていないのです。

このような方は学歴が低い方に多いと思います。
もしかすると、学校の集団生活の中で比較して、自分なりに努力したけれど、
なかなか勉強が身に付かず、劣等感を感じたのかもしれません。

違う分野で挑戦すれば、成功体験をつかむことができたり、
本人の素養として素晴らしいことがあるのですが、
そこに気付かないままという残念なこともあります。

この方と関わる際には、長く時間を掛けて、
信頼関係を築いて、失敗してやさぐれそうな時にも受容し続けることが大切だと考えています。

カウンセラーとしてお会いする方の中には、失敗体験を多く経験している方や
自己肯定感が低い方が多いです。
さらには、先日ご紹介した少年院のような司法現場も仕事の場になります。

私も失敗で終わらせず、少しでもクライエントの方の成功体験を引き出し、
やる気などを引き出せるようなカウンセラーになりたいと思います。