非行少年の声

先日、少年院に見学に行かせていただく機会をいただきました。

 

在院少年はプライバシーの関係で接する機会はありませんでしたが

少年院の状況や、生活空間、社会復帰するために勉強や資格取得を励んでいる作業部屋、

そして、在院少年たちが作成した作品が飾られている部屋を拝見させていただきました。

 

普段、接することのない世界のことなので、非常に興味深く拝見をさせていただきましたが、

その中で、もっとも心を打たれたのは非行少年の声とも言える

自分の思いを綴った書道の作品でした。

 

少年院は通信機器、録音機器、タバコ、ライターなどの多くの物は

持って入ることはできないため、しっかりと記録は取れませんでしたが、

「社会には私たちの居場所はありますか」という言葉や、

「大人はルールを守れという、そんな大人はロールを守らない。

   ルールを破った私たちは、そんなにダメなのですか」などの

率直な言葉がありました。

 

もちろん、在院少年は何らかの罪を犯し、

その更生のために少年院に入っています。

しかし、少年院に入っている子達の再発防止のために

調査をしていると、背景には片親による貧困や、両親ともに働いてコミュニケーションが不足して

居場所が無くなるなどの問題も見えてきているそうです。

 

もちろん、全ての家庭がそうなる訳ではありません。

中には挫折をしても、すぐに手助けしてくれる人が身近にいたり、

親と話す機会があり不良に走ることはないということもあります。

 

しかし、ある非行少年は小学校からサッカーに励んで

勉強はできないけど、運動はできるので期待をされて、

スポーツ推薦で高校に入学したけれど、怪我によりサッカーはできなくなり、

勉強も付いて行けず、不良行為をする人たちに声をかけられつるむようになり、

非行行為を行ったようです。

 

この事を聞くと、挫折をしても助けられる人がいると非行に走らないのではと思います。

再犯をするケースの多くも、出所後に居場所がなく、前の仲間とつるむようになり、

非行を再び行うケースが多いようです。

なお、この再犯率は2年で約9%、5年で20%という事でした。

 

一方で、少年院で勉強を行い高卒認定を取得する方も2割ほどいて、

大学に進学する学生もいるようです。

受け入れる環境があれば、変わる方もいるようです。

 

何も知らない人は少年院に入ったことがあると聞くと、

それだけで不安感を抱き、それが偏見や差別に繋がっているのかもしれません。

 

その為、非行少年の声や実態を知ることで、少しでも偏見をなくすことができれば、

少年院を出所した少年が受け入れられる社会が作られるのかなと思いました。

 

私が出来ることは何なのかを少年の声に触れて考えていきたいと思いました。