基準は「今」

ナラティブセラピーという、自分の人生を物語としてとらえて
価値を見出すセラピーがあります。
例えば、昔にいじめられて辛い思いをした方がいたとします。
その方は、その経験から、いじめられている人を救いたいと考えて
NPO法人を立ち上げ、いじめで学校に行けなくなった子供たちの
支援を行っているとします。
この方にとって、いじめで辛い思いをしたことは、
拭い去れない事実ではあります。
そして、いじめていた相手に対しては不快な思いがあると思います。
場合によっては復讐したいなどの思いがあっても当然だと思います
しかし、その思いを抱えながらも前に進み、
いじめられている方への支援を作り、多くの人を助けているとすれば、
いじめられた過去はどのような意味になるでしょうか。
このように過去の失敗や辛いこと、様々なことを捉えなおして
自分の人生の中での価値を捉えなおして、気持ちを楽にすることが
ナラティブセラピーであります。
この学びの中で非常に面白い概念を学びました。
「過去」「現在」「未来」という言葉があります。
この言葉は多くの方は理解できると思います。
ただ、ナラティブとして捉えるのであれば、
過去や未来を考えているのも、「今」この時なので、
「過去の現在」「現在の現在」「未来の現在」として捉えるのです。
未来の夢や、未来の希望を語っているのも現在であり、
過去にどのようなことが起こっていたとしても、
それをどのように捉え、どのように活かすかを考えているのも
現在なのです。
大事なことは、全て「今」だと考えるのです。
勉強をしてくれば良かったと過去を嘆いたとしても、
将来は暗いと未来を嘆いていたとしても、
それを捉えているのは現在の自分なのです。
自分が捉えている物語を再構築すると、
過去を悔いているからこそ今、頑張ろうとする自分がいたり、
将来は暗いかもしれないが、明るくなるかもしれない、
その為に今から何をすればいいのか考えようとなります。
分かっていたようで、分かっていなかった感覚でしたので、
改めて文字として見て学んだことで、新鮮な気づきがありました。
私も「過去の現在」を捉えなおし、「未来の現在」をポジティブに捉え、
今を基準に行動していきたいと思いました。