人は見たいものを見る

人は非合理的な考え方をするというお話は幾度かさせて頂きました。

その中でも、人は不思議と見たいものだけを見て、

信じたいものだけ信じがちになるという特徴があります。

 

例えば、自分が幼い頃から学んできたことは正しいはずだという考えであったり、

自分が所属する集団が行っていることは正しいと思う考え等です。

 

具体的には、いじめなどです。

暴力や虐待は良いこととされていませんが、

ある人の欠点を見付けて、自分以外の人も含めてそれを責めていたら、

あたかもその責めることは良いことと思って、自分も一緒に責める側に回る場合があります。

 

これは子供だけの話ではありません。

働いた経験がある方の内、8割は職場でのいじめ経験を感じたことがあるのです。

 

職場でいじめを行った方のお子さんが学校でいじめられていたら、

いじめられる人が悪いんだと子供を突き放すでしょうか。

きっと、そんなことはしないと思います。

 

しかし、人は自分が見たいものしか見ないため、

自分が職場でいじめを行っていることは肯定し、

自分の子供が学校でいじめられることには怒りを覚えます。

 

同じような事は、様々な事に起こります。

それは頭の良し悪しは関係ありません。

 

信号無視は道交法で法律違反になりますが、

周囲の人もやっているとつい自分にとって都合の良い事実を見ます。

信号無視で大きな事故にあった方がいるという事実を知っていても、

自分には、そんなことは起こらないと、都合の良い事実だけを見てしまいます。

 

そして、10月に増税が始まります。

過去の3回の消費税により、消費が落ち込み経済が停滞し、大きな事態になりましたが、

官公庁では、今回はきっと大丈夫という自信を持っているようです。

自分にとって信じたいことだけを信じているのかなと思いました。

 

私もそうですが、人は非合理的です。

自分の見たいものだけを見てしまいます。

自分が駄目な人だと思い込んでいる人は、自分が駄目という事実ばかり注目してしまうことがあります。

 

自分が見たいもの以外も含めて、しっかりと色々なことを見ていき、

信じたくない事実にも目を逸らさずに向き合いたいと思う今日この頃です。