今はずいぶんと改善されてきていますが、
仕事に私生活を持ち込むのをおかしいという考え方が日本にはあるように感じます。
例えば、子育てでの悩みや、介護の悩み、
配偶者が病気など色々な私生活の悩みがあったとします。
それによって休みを取りたいといった際に非常識と言われたということを伺ったことがあります。
少し前には、子育てなどの関係で異動を少しだけ待ってほしいと職場にお願いした際に、
認められず、退職を求められるような扱いを受けたということが話題になっていました。
仕事と私生活は全く切り分けられており、人は職場に入った瞬間に
私生活は全く存在せず、全力で仕事だけに没頭できるものだと思い込んでいるのかなと感じてしまいます。
キャリアカウンセリングの考え方の中に統合的人生設計という考え方があります。
キャリアには仕事以外に家庭(愛)、学習、余暇活動などと切り離すことが不可能という考え方です。
この考え方を示したサニー・ハンセン女史は、さらに6つの重要課題を提唱していますが、
それは今回は置いておきます。
この仕事以外の家庭(愛)・学習・余暇活動がしっかりとキルトのように織りなす事で、
充実したキャリアが送れるということです。
家庭や友人などの友情や愛情などがなく、学習の機会もなく、余暇活動も無く
休むことも無く、働いている方は一時的には働けるかもしれませんが、
将来的には行き詰ってしまうことがあります。
しかし、家庭や友人などの繋がりがあり、交流を図ることで人間的な成長があり、
様々な経験をして学習をして、人間性の幅を広げ、
余暇活動をしっかりと行って、エネルギーをしっかり回復できる方がいたとしたら、
その方はしっかりと仕事が出来そうなイメージが出来ませんか。
その為には家庭での問題に対しても、しっかりと向き合って頂き、
場合によっては解決の為の手助けもおこなっていき、
問題を乗り越えてから仕事に向き合って貰った方が
仕事にしっかりと取り組んで貰えると私は思います。
そして、そのような会社の方が、会社に対して愛着心が出てきて、
働く方も貢献したいという思いが出てくると思います。
少しずつ良い世の中に変わっていってほしいと思う今日この頃です。