普通ができない葛藤

「普通にしたら、できるやろ」

この言葉は普通のことが出来ない方にとって、

非常に傷付く言葉です。

 

皆が当たり前に出来ていることが、自分は頑張っているのに出来ない。

何回も気を付けて見ているつもりなのに、ミスをしてしまう。

凄くしんどいです。

 

それを見ている周囲の人も、自分なら簡単に出来ることを

なかなか出来ない姿を見て、イライラしてしまう。

そんな状況もあったりします。

 

中には、真剣な話をされていると分かっているのに、

つい後ろを通った人が気になったり、

外で車の音がしたら何があったのか気になって

話に集中することが出来ない。

 

何回注意され、何回怒られても、

それでも自分が気を付けようと思う努力とは無関係に、

勝手に意識があっちこっちにいって

他の人は簡単に出来ることが自分には出来ない。

そんな事で苦しんでいる方もいらっしゃいます。

 

最近は、少しずつ発達障がいという言葉が浸透してきています。

これを凄く否定的に取られる方もいますが、そんなことはありません。

私はその方の個性や特徴と思っています。

 

歌が下手とか、泳げないとか、そのようなものと同じだけど、

特に日常生活でしょっちゅう使用しなければいけない部分が苦手であるため、

非常にしんどい状況が続いていると考えています。

 

幾度もミスをしてしまう方や、人の話を集中して聞けない人は、

注意をするという部分が苦手であるということです。

一方で、その方の秀でている部分を見つけて、それを生かすと活躍される場合も多いです。

 

最近では、大人の方でも発達障がいを持って生きている方のカミングアウトもあり、

少しずつですが、世間の認識も変わってきているのかなと思います。

栗原類さんや、堺雅人さん、ブラッド・ピットさんや、トム・クルーズさん、

スティーブン・スピルバーグ監督もカミングアウトされています。

 

普通のことができない葛藤は、本人が一番苦しんでいます。

それを責めることは簡単ですが、そこからは何も生まれません。

 

むしろ、その出来ないことを理解した上で、その方が出来ることを伸ばしていくと

世界で活躍できる人材にまで成長できるかもしれません。

 

日本人は良い点よりも欠点を注目してしまう特徴があります。

その特徴に振り回されず、是非とも多くの方の良い点を見つけてあげられる人が

1人でも増えることを願っております。