理不尽が当たり前

大学生や高校生が就職活動を一生懸命に頑張って決まった就職先を

3年間もかからず、早ければ1ヶ月以内に退職されることがあります。

 

理由は様々あります。

企業側が説明していた状況と全く違う状況があり離職というケースもありますが、

学生側が仕事を良い側面しか見ずに会社に入って、思っていたものと違うと言って辞めるケースもあります。

非常に残念な事です。

 

その中で、面白い取り組みをされているキャリアセンターの話を伺いました。

そこでは、キャリア教育の授業を低回生から展開されているのですが、

学生と社会人のギャップを無くすということを仰っていました。

 

学生時代には正解のある問題が数多くあり、

さらには学生時代には、何か要望があった際には大学や教授などに相談することがあり、

場合によっては親などが出てきて、色々な要望が通ることがあります。

 

例えば、テストには答えがあり、先生から学んだことを勉強すれば

高い点数を取ることができます。

さらにゼミなどでグループワークがあったとしても、

グループ内に嫌なメンバーが居れば、要望を出せば違うグループに変えてくれることもあれば、

そのメンバーを入れずに研究を進めることもできます。

 

一方で、社会人には答えのない問題が数多くあり、

さらには上司や先輩の言われたとおりにしても、結果が出ず、

むしろ考えろと責められてしまうことがあります。本当に理不尽ですね。

 

一緒に働くメンバーも上司が嫌だから変えて下さいと言っても

そんな要望は通りません。

さらには、自分がやりたいことも、初めに伝えても要望を受け入れて貰う事はできず、

まず初めに結果を出し評価を得なければ要望をいう事すらできません。

 

そのような学生時代と社会人の違いに戸惑い、辞めてしまうこともあります。

これを防止しようと、学生時代から、グループを作った際に、

適性などは全く考えずにグループを作り、その中で様々な問題が起こっても

よっぽどのことが無い限りは介入はせず、学生達にそれぞれの解決を考えさせる

そのような教育を行っているようです。

 

その学びを受けている2回生にお会いしてお話しすると

非常に優秀な学生になっていました。

自ら考え、自らの意見をしっかりと伝えることができるようになっており、

さらには、理不尽などがあっても当たり前と考えており、

その中でどのような行動ができるかを考える力を身に付けていました。

 

この理不尽が当たり前と聞くと、怒る方もいらっしゃいますが、

世の中には理不尽が当たり前です。

世の中には、大雨、火事、事故、様々な理不尽があります。

その理不尽の中でも頑張って、世の中を切り開く方も多いです。

 

そのような理不尽が当たり前の中で、自ら行動し道を切り開く力を

学生時代に身に付けるようにしているそうです。

素晴らしいと思います。

 

様々な問題が起こっても、理不尽は当たり前と思って

前向きに捉えて行動できる、そんな風に人を育てられる支援が出来れば良いなと考えました。