チーミング

「チームワーク」という言葉をご存知の方は多いと思います。

「チーミング」という言葉はご存知でしょうか。

私は知りませんでした。

 

チームワークとは、決められたある程度の少人数で、

練習や打ち合わせなどの一緒に過ごす時間が多い集団が、

ある目的を達成するために行う連携のことをさすそうです。

 

一方でチーミングとは、異なる専門性を持った人が

ある目的を達成するために、集められて即興的にチームとなり、

課題解決に向かう連携をさすことです。

 

例えばチームワークは野球で例えると、

阪神や巨人などの通常一緒に練習するメンバーがチームで、

オールスターなどのその時期だけ集められた集団がチーミングでしょうか。

 

近年は色々な仕事が細分化され、また専門的になってきているので、

このチーミングが非常に重要になってきているそうです。

 

例えば、昨年は災害が頻繁に起こりました。

広島の川が氾濫するという状況が起こった時に、

通常の小規模な災害ですと消防や警察が対応されると思います。

ちょっと川の堤防が崩れているぐらいなら市役所でしょうか。

 

ただ、あれだけの大氾濫となりますと、そうはいきません。

人命を最優先にするという目標が定められれば

自衛隊の出動もあれば、医療チームを結成して派遣ということもあり、

さらには二次災害の懸念もあるので、災害時に使用されるロボットを使用することも考えられます。

 

そうなった場合には通常の災害現場には想定されていなかった機械を操作するシステムエンジニアも

チーミングの中に入るかもしれません。

 

実際にチーミングが効果的に発揮された例はチリの落盤事故です。

コピアポ鉱山という所で掘削作業をしていた33名が突然の落盤で

非常に硬い岩盤の下に閉じ込められました。

 

当時の食事は33名が暮らすには一週間分しかなく、初めは全員の生存は絶望的でした。

しかし、急遽集められた専門チームのチーミングにより69日後に全員が生存して救出されたのです。

本当に凄いですね。

 

このチーミングを成功させるには、幾つかの要素があるそうです。

1、謙虚さがあること

2、好奇心があること

3、心理的安全があること

 

従来のチームだけでは物事を達成できない時に、チーミングが結成されます。

その為、それをわきまえなくて、自分たちだけで出来るという思いがあれば、

チーミングは達成できません。

 

そして、従来のやり方だけでは駄目と理解し、様々な専門家から出てくる意見に耳を傾け

好奇心を持って試していく環境が必要なのです。

 

最後に、多くの分野が違う専門家から意見を積極的に出して貰うには、

意見を言っても良い、むしろどんどん新しい意見、可能性が低くても良いので

意見を出しても良いんだという雰囲気を作ることで、

チーミングは活性化され、成功に近付きやすいそうです。

 

心理の世界にも、チーミングという言葉では無いですが、

コラボレーション(協働)という言葉があります。

心理カウンセラーだけではなく、教師や医師、地域の支援員など複数の方と協働して

心理的問題を抱える方の課題解決に当たる為、連携することがあります。

 

私もチーミングに必要な要素、謙虚さと好奇心と心理的安全性を忘れずに

仕事に取り組みたいと思います。