行動変容論

行動変容論という言葉をご存知でしょうか。

 

行動変容(behavior modification)という言葉は心理学者のアイゼンクが1950年代に、

不適応行動の修正に学習理論を適用することが効果的と訴えて、

行動療法と同じような意味合いで唱えられているものです。

 

難しい説明ですね。申し訳ありません。

簡単に説明しますね。

 

例えば若い時からタバコを吸っているとします。

健康に良くないですね。

 

将来のことを考えると、タバコを吸うという行動からタバコを吸わないという行動に

行動を変化させる方が良くなります。

この行動の変化をどのように起こさせるか、行動の変化のプロセスは何かということを調べる学問を

行動変容論と言います。

 

学習理論とは、経験に基づく比較的永続的な行動の変容と言います。

例えば包丁を触って怪我をすると、包丁の鋭利な部分は危険と考えて、

握ることはしなくなります。

 

これは、怪我という経験から、包丁は危険と学習し、触らなくなるという行動の変容が起きています。

これが学習理論です。

 

さて話を戻してタバコを吸うひとにまず何が起こっているのか考えます。

タバコを吸う人はタバコを吸うことにメリットを感じています。

 

安心感かもしれません、中毒性の気持ち良さかもしれません、格好いいという思い込みかもしれません。

ストレス発散になっているとの思い込みかもしれません。

 

この方の行動を変容させるにはどうすればいいでしょうか。

行動変容論では、人の行動に変化が起こる為には下記の段階があると言われています

 

無関心期:行動変容に対して関心がない時期

関 心 期:行動変容に対して関心はあるが,実行する意思がない時期

準 備 期:行動変容に向けた行動を実行したいと思っている時期

実 行 期:明確な行動変容が見られるが,その持続に自信がない時期

維 持 期:明確な行動変容が見られて,その持続に自信がある時期

 

無関心期の方には、行動を変えるように伝えても、本人に意欲が無いため、

受け入れにくい状況です。

 

この時期に行動変容を促すのであれば、長期的かつ根気強く、

カウンセリングのような形で接していく必要があります。

例えば禁煙を考える際には、タバコは格好悪いや、年を重ねてから大変な状況になるという事を

形を変えて伝え続けたり、

もしくは煙草にどんなメリットを感じているのか否定せず、しっかりと聴いたうえで

一緒に考えるような取り組みが必要です。

 

一方で、準備期に入っている時には、実行したいと思っているので、

どのようにすれば実行できるのか、上手く維持し続けられそうか考える必要があるので、

コーチングなどの関わり方が必要となってきます。

 

例えば、禁煙に取り掛かる際には煙草を吸っている人の近くに行かない。

ストレス発散を別に用意する等を一緒に考えていくことや、

定期的にお話して禁煙への意識を作っていこうなどと話したりします。

 

もし皆さんが周囲の人に対して行動変容を促したい場合には、

これらの時期を参考にして、一方的に行動変容を伝えるのではなく、

無関心期には関心を持てるように、関心期には実行の意思を持てるように

意識をしながら関わって頂ければと思います。

 

そんな事を心理学に興味を持っている方とお話ししていて、感じました。

心理学に興味を持つ段階から、勉強する段階まで関わらせて頂きたいと思います。