ギャップを受け入れる

カウンセリングの中では、ギャップは重要なキーワードです。
ギャップとは何かと何かの差のことを示しますが、
例えば理想と現実の差などもギャップの一つです。

大学時代は非常に成績優秀でリーダーシップを取っていたけれど、
社会人になった途端にリーダーどころか、失敗を繰り返して
優秀というイメージが崩れてしまった。
本当はこんなはずでは無かったのに・・・。

こんな風に考えた時には、入社前に思っていた理想と、
実際に体感している現実との間に大きなギャップが発生しています。
このギャップが大きければ大きいほど、人はしんどいくなります。
これは先日の自己一致にもつながる考え方ですね。

同じように会社で働く中で、仕事内容が変わったとします。
想像の中では自分は以前の仕事と同じようにテキパキと出来ると思っていたのに、
仕事内容がガラッと変わって、以前のように動けない
ちょっとした仕事の流れの違いなどに戸惑ってしまって、
こんな筈ではと思って、しんどくなる事もあります。

このギャップが大きいほど、さらに長い期間を味わっている人ほど、
本当にしんどさや辛さを耐えてこられているのだと私は感じます。

良いお母さんになりたいのに、つい子供を叱ってしまう、
そんな方も子供が生まれた瞬間からギャップを感じ続け、
悩み続けているお母さんもいます。
その悩みを打ち明けようにも理解してくれる人もいなくて、
むしろお母さんだからと現在の自分とはかけ離れている理想の母親像を押し付けられると
もっとしんどくなってしまう場合も多いです。
本当に、お辛いですよね。

このような自分が考えている理想だけではなく、
周囲から求められる像と、自分の姿のギャップにも、
責任感の強い方は悩み、しんどくなってしまいます。

それではギャップを乗り越える方法は何でしょうか。
頑張る事と色々な人は考えたりもします。
しかし、ギャップで苦しむ人はむしろ、すでに頑張り続けて疲弊している場合も多いです。

私は、まずギャップを受け入れ、そしてその上で今の自分を理解し、
本当に自分が望む等身大の理想・目標は何かを考えて、
そこにたどり着ける方法を一緒に考える事かなと思います。

ただ、この一番初めのギャップを理解するだけではなく、
受け入れるということは、当人にとっては非常に辛い作業でもあります。
本人たちはギャップがあってもがいていることは嫌という程知っています。
しかし、それを受け入れると自分の心が折れるかもしれないと怖くて、
受け入れられない、認められないことも多いです。

もし、周囲の人がギャップに悩んでいると感じた際には、
まずしっかりとお話を聞いて、辛さを理解して頂き、
「頑張ってきたんだね」と一声を掛けて頂きたいと思います。
その言葉で少し肩の力が抜けて、ギャップを受け入れようという気持ちになり、
ただがむしゃらに頑張る所から、落ち着いて前を向いて頑張るという風に
変わることもあります。

この3月は色々なものが終了し、4月から新しい生活や環境が始まることが多いです。
もし、ご自身の中でギャップを感じて、どうしようもなく、しんどいのであれば、
どうか、周囲の人に相談をして頂ければと思います。

もしお話を聞いて欲しい、どうすれば乗り越えれるのか相談したいということであれば
ご連絡頂ければと思います。