自制心

心理的抵抗は、何かやりたい事があるのに、
恥ずかしいとか、失敗したらどうしようとか、
色々な思いから自分で自分にブレーキを掛けることです。
手を挙げて色々と質問したいけど、皆にどう思われるか分からないから聞き難い
あの人に声を掛けたいけれど、変に思われると不安だから出来ない。
あのスポーツに挑戦したいけれど、失敗したら恥ずかしい。
こんな思いが心理的抵抗となり、自らの行動に制限を掛けます。
この心理的抵抗を乗り越えると、自分がやりたいことを
どんどんと出来るようになるので、良い方向に物事は進むことがあります。
やりたい事があるのに、心理的抵抗を感じて一歩を踏み出せない場合には、
勇気を出して一歩踏み出すか、もしくは誰かが先に行なうと
次以降がやりやすくなります。
心理的抵抗は良い意味でも、悪い意味でも存在しており、
セミナーで手を挙げ難いということも心理的抵抗は悪い存在で、
乗り越えると良いことが怒るのであれば、
一方で良い意味での心理的抵抗は自制心などです。
例えば、悪口などから、暴力や万引きなどの犯罪など、
これらは自制心という心理的抵抗があるからこそ、
留まっています。
ただ、これらも何かの拍子で乗り越えた際に、
次以降の心理的抵抗が低くなり、二回目以降の悪い行為に繋がりやすくなります。
実際にこの実験をしたものが、割れ窓理論という理論であり、
全ての窓が割れていない放置された家がある時に、
この家は荒らされにくいのですが、
一枚だけ窓ガラスが割れていると、二枚目以降の窓ガラスが割られやすくなり、
さらにはその周囲もゴミなどが捨てられ荒らされます。
ゴミ一つ無い道にゴミを捨てるのは気が引けますが、
ゴミだらけの道であれば、自分ひとりぐらいという気持ちになりやすくなるのです。
一度、心理的抵抗を乗り越えると、もう一度心理的抵抗を持ち難く
良い意味でも悪い意味でも、簡単に二度目以降の行動がしやすくなります。
それを上手く活用し、自分の望む方向に自らが行動できるようにするために、
自分がしたいことを妨げる壁となっている心理的抵抗は乗り越えるようにし、
自分が悪い方向に行きそうだけど、心理的抵抗がないものには
それを続けるとどうなるかという事を考えて、
自らの自制心となる壁を新たに作って頂きたいと思います。
様々な依存症では、心理的抵抗はなくなってしまっており、
むしろ駄目と分かりつつ、大きな誘惑と戦っている方が多いです。
非常に苦しく、長く、大変な戦いになります。
もし、自分自身で駄目なことと思いながらも
心理的抵抗が無く、気軽にやってしまいそうな時には、
是非とも周囲の人にも相談しながら、自制心を持つように作れるように
心掛けて頂きたいと思います。