自分の人生を物語のように語り、自分の悩みを捉えなおし、
変えていく手法としてナラティブアプローチというものがあります 。
このナラティブアプローチの中に、
ドミナント・ストーリー(思い込みの物語)と、
オルタナティブ・ストーリー(新たな物語) という考え方があります。
ドミナント・ストーリー(思い込みの物語)は言葉の通り、
自らが思い込んで、自分を苦しめている物語です。
例えば、お客様には逆らってはいけない、
母親は常に優しくしていなければいけない、
仕事を辞めてはいけない、怒りを表に出してはいけない
などの思い込みで自分を苦しめている場合、
これらが思い込みの物語となります。
そしてドミナント・ ストーリーは自分を苦しめる思い込みの物語とは別の
自分の新たなストーリーを作り上げることで、
悩みや苦しみが変化していきます。
例えば、母親は常に優しくしなければいけないという思いで、
常に気を張っていたり、 緊張によるイライラで子どもに当たってしまった後に
自分は悪い母親だと責めてしまう、 そんな状況を作り出してしまっていたら、
非常にしんどいですね。
この思い込みの物語を変える為に外在化やスケーリング、 例外探しなど
様々な手法を用いて新たなる人生の物語を作っていきます。
この方は、優しくしなければいけないと思っていますが、
それは、自らの母親との関係で持ったものかもしれませんし、
誰かからの言葉でそのように思ったのかもしれません。
では、子どもに対して叱ったことがあれば、
全て良い母親ではなくなるのか考えてみてみると、
きっとそうではないと思います。
そして、常に優しい母親以外の良い母親像を探してみて、
例外を探して、 その中で自分がどのような姿を目指すのか考えても良いと思います 。
すると、常に母親が緊張してピリピリしている中で育つよりも、
時には叱ったり、落ち込んでも、 素直に自然で笑っている母親の傍で育つ方が
子どもは良いと思うという新たな物語を見つけることが出来るかも しれません。
その後は、この新たな物語を実現していく為に
少しずつ行動していくと良くなります。
現在、しんどく、苦しいという方がいらっしゃるのであれば、
その人生を新たに捉えなおし、 新しい物語を一緒に探していきたいと思います。