若者のメンタルヘルス

メンタルヘルスというと、以前は働く人のメンタルヘルスが多かったと思います。
仕事の過労や人間関係から、しんどくなり心の病気になってしまうという印象でしょうか。

現に自殺者数が3万人を上回る年が続いてきており、
その中では中高年の自殺が深刻でした。

しかし、現在では政府の対策などにより、年間の自殺者が2万2千人程度となり、
大きな改善がなされています。
ただ、まだ世界6位なので依然として日本は自殺大国ですので、
自殺者がもっと少なくなるように改善への取り組みは続ける必要があると思います。

 一方で、深刻な状況が若者のメンタルヘルスです。
日本は先進国の中で唯一、若者の死亡要因で自殺が事故を上回っている国なのです。
新聞などでは、若者が絶望する国とも記載がされていました。
政府が発行する自殺白書にも「若い世代の自殺は深刻な状況にある」との記載があります。

この若者は15歳~34歳と本当に若者かという議論もありますが、
日本の15~34歳の自殺死亡率(14年)は17.8人となり、
事故による死亡率(6.9人)の約2.6倍に上回っている現状を見ると、
学生だろうと、社会人だろうと、
未来ある若い方が、未来に絶望しか感じずに自殺する環境は
決して良いこととは思いません。

若い方の自殺を「心が弱いから」と仰る方も居ますが、
その方は高齢になった際に周囲の人から、
「テレビで活躍する方の中には90歳でも元気な人がいる。
 あなたは心と身体が弱い軟弱な人だから、自己責任でなんとかしなさい」
と言われて、どのように感じるでしょうか。
傷付いたり、憤ると思います。

その憤りがあっても、どこにもぶつけることができない状況だと、
自殺しかないと思い込んでしまう、それが自殺に繋がります。

特に若い方は学校や、会社など世界が狭いと、その中で否定されたり
責められると、自分が悪いと思い込んでしまうのです。
このような環境を少しでも変えたいと思います。

現在、厚生労働省では、「こころもメンテしよう」という
若年者向けのメンタルヘルスのサイトがあります。
その中には学校生活で悩む学生の相談例もあります。

 

若い方が心の病気になる事なく、
元気で過ごし、未来に絶望ではなく希望が見られるように
変えていきたいと思います。