辞める勇気

日本人は、継続すること、耐え抜くことを評価する傾向にあります。

これはこれで素晴らしい点だと感じます。

しかし、堪え過ぎてしんどくなっている方を見ると、何とも言えない気持ちになります。

 

医療現場で働く方は、非常に働きすぎて追い込まれている方も多いです。

特に若い研修医などや、先生になりたての方は朝から晩まで繰り返し働かれています。

 

介護の現場でも、本来の介護業務以外にも、たくさんの書類作成や、

会議、家族対応など多くの仕事が沢山あり、夜中まで残業している方も多いです。

 

心理職の中には、大学・大学院と働き、臨床心理士などを取得した後に働くところは、

非正規雇用の所が多く、その中でも心理の仕事以外の事務作業やミーティング、

さらには自己研鑽として様々な勉強会に参加し、

休日もない状況で仕事のために時間を費やしている方もいます。

 

これは専門職だけではなく、多くの企業で働かれている方も同じ経験をしている方も多いと思います。

その為、多くの方が自分も耐えているのだから、甘えるな頑張れという言葉を仰る方もいます。

 

私は、不思議に感じることがあります。

甘えるな頑張れ、もっと働けという方々は、若い時にどのような社会を作りたかったのでしょうか。

どのような日本になれば幸せだと感じたのでしょうか。

 

多くの大人が精神疾患に近い状態で歯を食いしばり、フラフラになりながら働き、

甘えることを許さないと周囲に目を光らせる社会こそが、

風邪などの体調不良で休むことは社会人失格と怒鳴り合う社会こそが

理想の社会であり、幸せな日本の姿だと思ったのでしょうか。

 

それとも、お互いもう少し我慢し、許容し、しんどい時には支え、24時間頑張らなくてもいい、

疲れた時には休息できて、病気の時は休んで、帰って家族で楽しく過ごせる時間を持つ

そんな社会の方が良い社会でしょうか。

 

私は、一度うつ病になったため、カウンセラーとしてキャリアコンサルタントとして

お仕事をさせて頂いていますが、日本社会の中では落ちこぼれなんだろうと思っています。

私はそれでも良いと思っています。

 

しんどい時にはしんどいと、眠い時には眠いと言っています。

それを言った時に、軽く叱られる、そんな空間で働けることに非常に有り難いと思っています。

 

今の社会は自殺者が2万1140人います。5年前は3万人を超していたので、

少しは改善されたのかと思います。

しかし、世界的にみると平均よりも1.6倍も多い状況です。

 

そのような世界的に見てもしんどい状況にいますので、

そこの枠組みから辞めて、もっと自分らしく生きられる、

自分なりの努力が評価される場所を探すのも一つかなと思います。

 

もし死にたいぐらいしんどい、会社が怖くて眠れない

そんな風に思っている方は、勇気をもって今の場所を辞めて、

新しい所を見つけることも一つの方法かと思います。

 

それを、日本の会社に馴染めなかった私と、

日本の会社に馴染めなかったキャリコンの先生と話している時に感じました。

 

続けることも素晴らしいですが、辞める勇気も称賛されても良いのではと感じた今日この頃です。