言葉にならない苦しさ

精神疾患の辛い部分には、人に分かってもらえないという部分があります。

 

例えば、風邪や喘息は明らかに咳や鼻水、発熱などの

客観的に見ても普段よりしんどそうというイメージがあり、

また病気になった経験がある人が多いので、理解はされやすいです。

 

一方で、骨折なども経験が無くても

明らかに白い包帯などでつらそうなことが理解できます。

 

しかし、精神疾患の中には、動くのが辛い、

皆には声が聞こえないのに聞こえるなどの

他から見ても、怠けているのかふざけているのか

それとも本当にしんどいのかが客観的には理解できないという事があります。

 

そうすると、創造力のある方や、周囲に同じ辛さを抱えて理解のある方でなければ、

なかなか理解がされにくくなります。

 

精神分析療法という今でも非常に広まっている療法を開発されたフロイトも

そのような周囲の人には理解されない苦しみを味わったからこそ、

精神疾患の方の理解をでき、治療に携わることができました。

当時は、そのような精神疾患の人も、ただ怠けたりサボっている人と

思われていたそうです。

 

そのような理解され難いしんどい症状の中にも

言葉にできないような病気もあります。

それは離人感や現実感消失症などです。


離人感は、「自分が自分ではない」「感情が感じられない」
現実感消失症は「視覚や聴覚の歪みがある」「現実としての触覚が感じられない」

というものであり、

離人感は私もなったことがありますが、

非常に説明のし辛い状況です。

 

本当の自分の1~2m後方から自分を操っている感じでしょうか。

テレビゲームをしている人は、テレビゲームの中にいる

自分を操る感覚に近いかなと思います。

 

そのような自分を操るのですが、操作を誤ると倒れたり、

自転車に乗っている時に離人感が起こると、

操作を誤って車道に飛び出しかねないような感覚になります。

テレビゲームでは、特に何の損傷も負いませんが、生身では大惨事につながりますが、

そのような感覚も乏しくなるのです。

 

一見すると普通ですが、離れた所から自分を見ていて、

自分の行動や考え方も自分のものではなく、

何とも言えず気持ち悪く不安で、私は手をつねったりして

自分の感覚を取り戻そうとしていました。

 

端から見ると普通に見えるのに、急に手をつねったりして、

変に見られるぐらいですが、内心では凄く自分の存在に関して不安になり、

非常にしんどくなります。

 

このような言葉にならない辛さに対して、

私の出来る事は少ないですが、

お話を聞かせて頂き、寄り添い、理解し、

そして、少しでも気持ちを楽になって頂けるように

一緒に考えさせて頂きたいと思います。