「事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。」
という言葉は哲学者ニーチェの名言です。
この世に存在する万物には、事実はなく、
それを解釈する人が意味づけをするということです。
何だが難しいですね。
例えば、皆さんは横断歩道で、信号が赤色だと立ち止まりますね。
それは、横断歩道が危険な場所と知っており、
さらに赤色が危ないという合図だと知っているのです。
この知っている、理解している、考えていることが解釈です。
もし、この横断歩道に、例えばアフリカの原生林で育ち、
車も見たことがなく、信号なんて知らない人を連れてきたとします。
赤信号を見て、立ち止まるでしょうか。
全く何も分からないので、立ち止まることも、気にすることもしません。
この世に事実はなく、解釈だけがあるそうです。
私はある所で「いつも眠そうにしているね」と言われました。
それを言われて、「そうなんです。いつも眠いんです」と答えました。
私は睡眠時間が短いとダメな体質で、ご飯の後は眠くなってしまいます。
このやり取りを私は何とも思わず、むしろ「私は虚弱で軟弱で貧弱で脆弱なんで」なんて返すぐらいです。
しかし、このやり取りを聞いていた方から、
「大丈夫?嫌味言われて嫌じゃなかった?」と言われ驚きました。
この方にとって私の言われた言葉という事実は、
ただの挨拶のようなやり取りとは解釈せず、
「いつも眠そうにしている」=「いつも暇そうにしている」=「やる気がない人」と解釈したそうです。
私はむしろ感心してしまいました。
この世には事実はなく、解釈があるのみです。
もし、皆さんがしんどいと感じる事実があるのであれば、
解釈を変えることで楽になることができると思います。
この解釈を心理学では認知といいます。
そして、認知を変える方法を認知行動療法などあります。
解釈を少しずつ変えて、自分にとって心地よい解釈をしていきましょう。