専門家の段階

カウンセラーの専門家になるステップがあります。

そのステップを「Ronnestad と Skovholt による臨床家の6期発達モデル」というもので記されています。

 

このステップを知って、非常に面白かったです。

 

第一段階は素人援助者期と言います。

これは、勉強を始める前に友人や親として相談相手になってアドバイスをする段階です。

自分の過去の経験や傷付き立ち直った経験をもとにアドバイスをするもので、

相談相手の悩みに深入りしたり、過剰に同一視して気持ちの落ち着きを失いがちになる状態です。

この時の成功や失敗が基に、心理職を目指すそうです。

 

専門家になるステップの第一段階が素人の状態であり、なるほどと思うと同時に、

確かにこんな風に相談に乗る方がいたなと思いました。

 

 

第二段階は初学者期です。

専門的な訓練を受ける事への熱意は強いが、自信に乏しく不安が強い状態です。

新たな事を勉強するたびに、大きく影響を受けて、できるだけ簡単に学べて、

すぐに使える理論やスキルを求めて躍起になる状態です。

 

私自身、このような時がありました。思い返すと非常に恥ずかしいです。

今は、そんな簡単な方法はなく、しっかりと地に足を付けて学ばなければと思っています。

 

色々なところで、心理メソッドを開発などの言葉を打ち出している方は

多分、この初学者を対象にしているのかなと思いました。

そして、このようなメソッドに飛びつく方も初学者の状態であると自覚して頂ければと思います。

 

 

その次の第三段階は上級生期です。

これは一人前の専門家になることを目標とするため、間違いを恐れ、完璧主義になりがちな状態です。

何でも教科書通りにこなそうとしたり、経験豊富な臨床家を理想として学びたい気持ちが強い状態です。

そして、支援方法にもこだわりが強く、厳格になる時期です。

 

私も一時期は、支援方法にこだわる時期がありました。

今では多少は柔軟になり、支援方法のこだわりではなく、クライエント中心に考えて、

技法の統合ではないですが、様々な手法を学び、クライエントにとって最適な支援をしたいと考えています。

 

ここまでのステップは半分ですが、実はこの半分の状態では、

まだ道半ばですらなく、車の運転免許でいうと、教習所に通っている状況です。

この次が初めて専門家としての仕事の始まりなのです。

 

日本ではこの第三ステップどころか、第二ステップで仕事を行う方がいるため、

心理カウンセラー、心理療法家に頼る方が少ないのかもしれません。

 

最終ステップは臨床経験20年以上であり、まだまだ私は足元にも及びません。

ですが、そこに向けて勉強をしたいと考えています。

 

そのようなことを、専門家になるステップを学ぶ中で感じました。

今は自分が、専門家のどの段階にいるのかを時に振り返り、

成長をしていき、皆さんに少しでも良い支援ができるように頑張っていきたいと思います。