今日は、心の話に近いようで、遠いお話をしたいと思います。
先日、とある研究の活動報告を見て、驚きました。
それはある大学での研究報告資料で、
普段は心理学などの研究内容が面白くて読んでいますが、
今回は理工系の数学に関する所で面白い話を見ました。
それは、証券市場で資本や資本資産評価モデルという内容ですが、
そのモデルは見ても良く分からない計算式でしたが、
何とその数式に後悔の気持ちを組み込んだ数式を作成されたそうです。
元々、見ても分からない数式がさらに分からなくなっていたので、
解説することは全く出来ませんが、
数学の世界にも感情が加わっている事に驚きました。
プロスペクト理論という意思決定モデルがあります。
これは簡単に言うと、何かにお金を賭けて損をすると、
人はその損を取り返そうと躍起になり、余計に大損する場合があるそうです。
そして、逆にお金を賭けて得をすると、
その得をした分は元々無かったかもしれないお金なので
余計に大きくお金を賭けれる状況になっても
人は賭けずに、小さな得を広いに行くそうです。
人は損失を嫌うという性質があります。
これがプロスペクト理論です。
まさに人の生々しい部分ですね。
でも、これが証券取引で大きく影響を受けており、
このプロスペクト理論を考えた方は行動経済学でノーベル賞を受賞されました。
そして、この研究はこの人は損をしたくないという気持ちにも関連しますが、
損をした時の後悔が与える影響を数式にしたそうです。
後悔は人が株式で損をした時に、次に与える影響もそうですし、
さらに人は、何と自分が稼いでいた「かもしれない」という部分にも損失を感じるそうです。
例えば、仮想通貨バブルが起こりましたが、
昔にチラッとでも仮想通貨に興味を持った人は、
何一つ損を出していないのに、あそこで購入すれば資産は30倍になったのに!などの
空想上の損失を感じて、後悔するそうです。
そして、この後悔を払拭する為に、さらに投資をする方がいるそうです。
何とも驚きますね。
このような空想上の後悔も含めた数式を考える方も
どんな天才なんだろうと思います。
私は、そんな天才の見る世界を一度は覗いてみたいです。
さて、数学の世界に人の感情が入ってきました。
AIは現在、擬似的な感情を示しますが、
もしかすると、この数式がさらに発展すれば
AIも喜怒哀楽を本当に感じるようになるかもしれません。
そんな風に感じた今日この頃です。