モチベーションのもたらす効果

先日、非常に興味深いお話を島津製作所の方から伺いました。
島津製作所には田中耕一さんという現役サラリーマンで唯一の
ノーベル賞受賞をされた方がいらっしゃいます。

この方の事は調べて頂くとすぐに分かると思います。
非常に素晴らしい方だと思います。

今回、伺ったお話はこの方を発端としたモチベーションが人に与える効果のお話です。

田中さんがノベール賞を受賞する1年前に島津製作所は売上が悪く
リストラなどを行なうほど、非常に困難な状況に陥っていたそうです。

その為、従業員はモチベーションも落ちており、
給与も若干ではありますが、カットされてしまい、
早期退職制度には多くの方が申し込みをされていたそうです。

新入社員が島津製作所に入って騙されたということを仰っていたことを
覚えていると語られていました。

その翌年に、田中さんがノーベル賞を受賞されました。
そこで、経営陣は経営コンサルタントに田中さんがノーベル賞を受賞したことで、
どれぐらいの経済効果、業績改善が図られるか試算するように
何社にも依頼したそうです。

企業は業績予測などを出さなければいけない為、
必要なことですね。

そこで、試算として出された数字は、
田中さんが開発された装置の売上と、ブランド価値の二つに分類されだされたそうです。

元々、田中さんが開発された装置はそこまで売れ行きが良くなく、
貢献度は少ないだろうと予測されたそうです。
一方のブランド価値は、効果があると予測されたそうです。
ノーベル賞受賞した方が属する企業が開発した商品なので、
信頼性が高まるだろうと考え、他社比較した際の意思決定に効果を及ぼすと考えたそうです。

そのような試算が出た後、実際の業績はどうだったと思われますか

結果として、全ての経営コンサルタントが出された業績を
遥かに上回る業績が出たそうです。
それは、田中さんが開発された装置が売れた訳でもなく、
ブランド力向上だけでは説明が付かなかったそうです。

そこで、経営陣が出された結論が、一人ひとりのモチベーション向上です。
自分達の企業は凄いんだ、ノーベル賞という世界に認められる技術力・開発力を
持っているんだという自負が、
一人ひとりの従業員の意欲・やる気を高めて頑張った結果、
予想以上の業績に繋がったということであり、

それ以外の要因が考えられないということです。
人のやる気・モチベーションが専門家の予測を超えたのです。
人の潜在的な能力は凄いですね。
これは、強制的にやらせた訳ではなく、本人たちの自発性により結びついた結果だと思います。
このようなことを中々、達成することは難しいとは思いますが、
従業員のやる気・モチベーションを高める働きかけは
業績を向上させるという一例を伺い、改めて必要だと思いました。
非常に貴重なお話を伺えました。
誠にありがとうございます。