不安のメカニズムと解消方法

心理的な話をしてしまうと、非常に長くなってしまうので、
申し訳ないと思います。

さて、前回にお伝えでききれなかった認知的不協和から説明をしていきます。

認知的不協和とは、自分が望んでいる状況と、違う状況が起こった時に、
心理的な不協和が生じて、ストレスが発生するという心のメカニズムです。

例えば、クリスマスケーキを買いに出かけたのに、
クリスマスケーキが売り切れていたとしたら、どう感じるでしょうか。
自分が想定していた状況と、別の状況が現実として起こっている
この時に、苛立ちや、怒り、不安など心理的なストレス状況に陥ることを
認知的不協和と言います。

そして、認知的不協和の解消方法は様々なものがあります。
ある人は、何故こんな大事な日にクリスマスケーキを切らすのかと怒るかもしれません。
別の人は、そもそもクリスマスケーキなんて高いだけだから、本当はいらなかったと自分を納得させようとするかもしれません。
さらには、ホールケーキは入らないから、小さなケーキを幾つか買おうと、別の物で心を満たすかもしれません。

怒る人は、近道反応として、ストレスをとにかく早く発散する為に怒ったり、怒鳴ったりします。
本当は入らなかったと思う人は、合理化という自分のことを守る防衛機制という心の働きで、
自分を説得させられる、もっともらしい理由を探し、合理的に納得しようという心の働きです。
別の物で心を満たす方は、代償という防衛機制で、別の物で満足を得ようとします。

これらが、認知的不協和となります。

このような心の働きが、どのように不安に繋がるかと言いますと、
人は、不安な状態に望んでなりたいと思う方は少ないです。
その為、不安が無い状態や、先行きが見通せる状態を望んでいます

しかし、事故などで出費があり、経済的な見通しが立たなくなると
望んでいた状態とは違う状態が起こり、認知的不協和な状態になります。
これは、何も無くても、ある日突然、このまま生きていけるんだろうかと思った瞬間に、
自分は不自由なく生きていけるという思い込みが、現実を見てしまった時に、
理想と現実のギャップを感じて、認知的不協和に陥ります。

この時に、解消する方法が見付からず、心の内に溜まっている状態
大きな不安となっていくそうです。


では、この不安の解消方法として、どのような事があるでしょうか
前回では、
1、先行きが見通せないとき
2、自己効力感が低いとき
と書きましたが、
正確には、
1、先行きが自分自身の想定と食い違い、心理的に不安定な状態になったとき
  (認知的不協和な状態に陥り、解消できないとき)
2、自己効力感が低いとき
に不安になります。

その解消法としては下記の通りです。
1、将来の見通しを持つ
2、自分自身の想定や対処できる範囲を広げる
3、自己効力感を高める

1、に関しては、将来の見通しが立たないから不安なので、
将来の見通しを持てると、安心感が出てきます。
ただ、そんな事が出来れば悩まないと思うかもしれません。
しかし、想定外のことが起こったとき、人は視野が狭くなり、思考に柔軟性が欠けていきます。

例えば、「ゴールが何処かは言わないけれど走って貰います。
あなたは完走する自信がありますか?」
と聞かれて、何キロ、何十キロ走るか分からないのに、完走する自信がある人は稀です。

その為、誰かに相談をしながら、どの人に相談すれば
見通しが持てそうかと考えてみることや、
先が見通せない状況を乗り越えた慧家印がある身近な存在は誰かなど考えて、
どのように乗り越えたかを調べていくと良いです。

例えば、周囲の人に尋ねていくと、「その道なら走ったことがある。4キロ走れば良いよ。」そんな風に言って貰えると不安が軽くなり、走れるかもという思いが出てきませんか。

これが発想として出てこないときには、とりあえず誰かに話を聞いてもらい、
心を落ち着けるだけで、心持ちが変わることがあります。
その為、キャリアカウンセリングの場合には、キャリアビジョンやライフビジョンを整理し、
「あれこれしないといけない気がする」という状態から、
「これが自分の目指す目標で、その為にこれをすれば大丈夫」という状態になることで
将来的な見通しを持ちやすくするという関わり方があります。


2、に関しては、1、と似ていますが、想定外の事に出会い、
解消法方が分からない為に、ストレスの状態になります。

その際に、常に相談する相手や、落ち着ける場所などを持つことで
想定外の事に出会っても慌てなくて大丈夫と思えたり、
自分で対処できなくても、これだけの協力者が居ると思えることで
安心感を持つ事が出来ます。

例えば、借金を背負ったとしても、相談できる相手が複数(両親・弁護士や法テラス・公的機関・税理士・カウンセラーなど)居ると
ちょっと安心感がありそうと思えるのではないでしょうか。

このように自分の中で、想定外や対処できる範囲を外部の支援も用いて、
複数あると思っているだけで認知的不協和が解消されます。
クリスマスケーキで説明すると、買いに行った店に無くても、
その近くに3店舗ほど知っていたり、コンビニやスーパーも知っていれば、
怒る前に行動できると思います。

ここまで書いて、また長くなりすぎてしまいました。
申し訳ございません。

次で本当に不安のメカニズムの話が終わるよう、
頑張りたいと思います。