ただ、心の問題も、労働と結びつく事が非常に多いので、
少し書かせて頂きます。
先日、弁護士の方が行う労働者の権利教育セミナーに参加しました。
その中で、伺った事から感じたことです。
さて、質問です。日本3大犯罪をご存知でしょうか。
これは、発生件数が多い犯罪です。
答えは、道路交通法違反、売春防止法違反、労働法違反だそうです。
納得の答えかもしれませんが、
私としては、2番目が情け無く感じました。
それはそうと、これらの犯罪に関して、
1番目と2番目は犯罪の意識を感じやすいが、
3番目は犯罪の意識を感じにくいのが日本人だそうです。
例えば、一般道路で車で時速100キロを出すような速度違反した場合、
捕まったとして、何故捕まらないといけないんだ、
理不尽だと仰る方は少ないと思います。
一方で、企業で働く上司が、部下が残業する姿を見ていたけれど、放置をしていたとします。
そして、それを咎められた場合、この上司は納得するでしょうか。
理不尽だと思う方が多いと思います。
制限速度60キロの所を、100キロで走ると危険だと思う方が多いですが、
1日の残業が4時間、9時から22時まで働く人がいたとしても、
危険だ早く帰れと思う人が少ないです。
ただ、1日の残業が4時間であれば、月20日が勤務の方が多いので、
月80時間の残業時間で危険水準に達します。
今は、残業を減らそうという話が多いですが、
仕事を減らそう、会議を減らそう、無茶な営業目標は無くそう、
意思決定の人数や速度を減らし、仕事を簡単にしようという話は少ないです。
企業は労働者の仕事内容を管理する義務があり、
ノルマを課すだけでは無く、本当に時間内に終わる業務かという管理が必要です。
しかし、日本は特にその管理が杜撰で、多くが従業員のやる気の問題にされています。
これは企業側の怠慢と考えられてもおかしくないそうです。
私は、社長や管理職の方のお話を聞く機会も多いので、
全てを悪者にされるのも可哀想だと思いますが、
一方で、企業側がしっかりと管理すべきという考え方も理解できます。
日本人は、小さい頃から、周囲と協調することが大切ということを教育の中で伝えています。
困っている人がいれば、助けましょうという教育があり、
チームワークや協調性は、日本人の利点です。
その日本人が職場で上司が帰っていない状況で
帰ることができるかどうか、
就業時間内に終われない量の仕事のノルマを自分だけでは無く、
全員に課されている状況で、自分だけノルマを軽くして下さいと言えるかどうか、
考えることも必要かと思います。
過剰な仕事量や、残業で倒れてしまった場合、
一番困るのは、残された人と会社だと思います。
倒れた人の仕事を誰かがやることになり、さらに企業も求職中の保証が必要です。
そして、その後に残された人は、よりしんどくなり、
倒れてしまう連鎖が起こってしまう場合があります。
労働に関する問題はたくさんあります。
それを一つ一つ解決しなければ、ただでさえ人口が減っている日本で
働く人も、収入を得る人も居なくなるかもしれません。
しっかりと考えなければと思いました。