頑張り方

頑張るということを書いた所、
あるクライエントから、職場での頑張り方を質問されました。

この頑張るということも色々な方法があると思います。
例えば、仕事に頑張って取り組むということは良い事だと思います。
しかし、闇雲に頑張ると返って仕事の評価を下げることに繋がったり、
仕事上に問題が発生する事があります。

例えば、営業の仕事の中で頑張る場合、
個人営業のような形で、個人で担当のお客さんを持っており、
対応していく場合には、個人で頑張ることは良いと思います。

時には周囲からのアドバイスを貰いながら、
どのようにすればお客様と関係を良好に出来るのか、
購入して貰えるのか、考えながら努力をすると良いと思います。

一方で、営業もチームでプレゼンテーションを行なう場合には、
チーム内で連携が必要です。
個人が周囲と連携を取らずに、独自の考え方でお客様の情報収集・分析し
独自に何時間も掛けて提案資料を作って、提案を行うと
それによりチーム内の良いアイデアが生かせなくなったり、
商談の機会を失う可能性が出てきます。

このように自分で頑張る、皆と頑張る、
やり方が分かっていて、その達成の為に頑張る、
やり方を一から見つけなければならず、模索しながら頑張る
など色々な頑張り方があると思います。

仕事の中でも、このように頑張れば良いと決められたことはなく、
一言では言い難いと思います。

その為、まずは職場の人とコミュニケーションを取り、
どのような頑張りが求められているのかを確認することが重要だと
私は思っています。

そして、職場によっては、頑張りを抑えないといけない所もあります。
例えば福祉や医療現場の場合、治療や介護に全力を注ぐことは素晴らしいですが、
長期的に多くの方に対して治療や介護ができる環境を整えることは
非常に大切なことです。

そのような中で、ある個人が短期間に全力で最高のサービスを提供しようとすると、
それを当たり前に思った利用者や患者は他の職員にもそれを求めることがあります。
そうすると、全員が短期間で全力の力を発揮してしまうと、
数ヵ月後には介護現場や医療現場は破綻してしまいます。

その為、チームワークを重視し、出来ないサービスはあるけれども
多くの方に対して公平に、長期的に提供できる中で最高のサービスを
行なう必要があります。


これは、公務員も同じ所もあります。
阪神淡路大震災を体験された方から伺ったお話ですが、
震災後に市役所を開いた際に、たくさんの市民の方が詰め掛けたそうです。
それに対して職員の方は一生懸命に対応していましたが、
通常通り17時に窓口を閉めることに苦情があったそうです。

ただ、その上司の方は窓口の職員を見ていると、
皆が被災にあって、何とか助けたいと思って、凄く頑張って仕事をされていたそうです。
窓口が閉まってからも、届けられた書類を処理しようと連日残業をしている姿を見て、
休ませないと潰れると考え、どれだけ市民からクレームが来ても
17時に窓口を閉めたそうです。

サービスを受ける立場から考えると、手厚いサービスは歓迎であり、
サービスがあまりないと不満に感じるかもしれませんが、
一時的にサービスが良くても、その後すぐに潰れるのであれば歓迎はできないと思います。

このような時には短期的な頑張りではなく、
長期的な頑張りの視野を持って取り組む必要があります。


もちろん職場によっては短期的に頑張って、
何とか仕事をこなさいと大変なことになるということもあると思います。
例えば、クレーム処理などでしょうか。
放置すると大変な事になります。

頑張り方をしっかりと考え、最適な頑張りをすると
結果に繋がりやすくなると思います。
その為にも、しっかりと周囲とコミュニケーションを取り、
最適な頑張り方を見つけていって頂きたいと思います。