長い間、会っていなかった友人と、偶然に出会ったことはありませんでしょうか。
他にも、ある所であった人と全く別の所で出会って、
驚いたなんて経験もありませんでしょうか。
このような体験、出会いなどを「意味のある偶然の一致」と言った方が居ます。
カール・グスタフ・ユングという夢分析などの分析心理学を考えた精神科医がいました。
この方は日本の心理学会で大きな影響を与えた河合隼雄先生が学んだ療法でもあります。
この方は、意識と無意識という考え方以外に、
個人的無意識と集合的無意識という考え方があるとおっしゃられました。
個人的無意識は個人の体験や記憶から構成されていて、
無意識に歩いていても、赤信号では何となく立ち止まることなどが
個人的無意識です。
子供は赤信号が止まるものと分かっていなければ、
止まらず走り出します。
一方で、集合的無意識は人類や動物も含めて蓄積されてきた無意識があると考えました。
それは、文化も全く違う、非常に距離がある場所でも
同じような信仰があったことから、人は無意識の内容が共通していると感じ、
この考え方に至ったようです。
この考え方が、発展して、無意識に多くの喫茶店から
偶然に選んだ店で、久々の友人に会うという、偶然の一致などを考えたようです。
私も時々、あのクライエントがどうしているかなと考えた時に、
連絡を頂き、偶然の一致があるのかなと思った時があります。
ユングはこのような偶然の一致は、お互いに転機という気付きや、
何かしらの影響がある出会いだと考えました。
私の所にご相談に来ていただく方も、このホームページでしか
告知をしていない中で、ご相談に来ていただきます。
そのような方の中には、一度相談しようと思ったけど、何となく止めて、
再度、相談しようと思った時に見付けて下さったという方もいます。
偶然に、このブログを見て頂いた方も
意味のある偶然の一致で、出会ったのかもしれません。
それが読んで頂いている方にとって、良い影響があれば嬉しいと感じています。