心理学者ジョイ・ギルフォードという方がいます。
矢田部―ギルフォード検査という通称YG検査で有名な方です。
これはギルフォード先生が考えた性格検査モデルを矢田部先生が日本用に改定したものです。
このギルフォード先生は、他にも人間の思考側面についても言及されていました。
人間の思考側面は2種類あると言われています。
それは、『収束的思考』と『拡散的思考』という思考です。
収束的思考は、正解がある問題に対して、答えを導き出すように考える思考です。
高校までの勉強などは収束的思考力を身に付けます。
仕事の中では、経理や法務などが思考が近いでしょうか。
正確な数字を導きだしたり、今ある数字を計算していき整合性を取っていく、
法や社内規定に照らし合わせて誤った点が無いかを確認することが必要です。
一方の拡散的思考は、用意された様々な情報から様々な思考を拡散させていき、
創造的な答えを導き出す思考方法です。
仕事の中では、この思考が使われることが多く、
営業職での提案営業の場面、企画職での新たなアイデアを考える場面、
経営企画など多くの場面で必要とされる思考です。
この思考方法は、あまり学校では学ばない思考方法なので、不得意と感じる方が多いです。
しかし、働く場面では、この二つの思考方法が必要とされています。
最近の就職活動では、この二つの思考方法を試すためにグループディスカッションなどで
一つの課題に対して、皆で議論し、アイデアを出し、まとめていく選考方法です。
何となく、この思考方法を聞いた時に思ったことがあります。
昔の良い大学に行き、良い企業に入って、生きていくという考え方は
収束的思考のように思います。
良い企業という答えに辿り付ければ良いと思っていたのではと思います。
一方で、終身雇用が無くなり、大手企業に入っても安定する訳ではなくなった状況では、
多くの人が試行錯誤しながら生きていき、自分のキャリアを考える時代になっています。
これは、拡散的思考のように思います。
インターネット普及したことにより、多くの情報が手に入り、
今までにはなかったユーチューバーなどの新しい生き方も出てきて、
用意された様々な情報から様々な生き方を考えて、決めていくことが必要になっています。
時代が変わったことにより、生き方の思考も変わってきました。
この思考を上手く使い分けることが必要だと思います。
今のご自身の思考方法は、どちらの思考を良く使っているでしょうか。
もし、拡散的思考を使っている機会が少ないと感じるのであれば、
拡散的思考を積極的に練習していくと、
少ない情報から多くのアイデアを考えることができるようになります。
積極的に思考を使い分けて、自分に合った人生を歩んでいきましょう。