テキパキと効率的な考え方ができる人を羨ましいと感じたことはありませんか?
私は、営業をしている時に、どんどんと仕事をこなす先輩を見て、
凄いと思っていたので、効率的な考え方ができる人は凄いと思っていました。
しかし、どんな人間でもそのような考え方をする力は備わっているようです。
「認知的節約家(cognitive miser)」という言葉があります。
人は認知的資源を節約するために、認知的近道を通って情報処理をするのです。
相変わらず、心理学の用語は難しいですね。
簡単に言うと、毎回、一から考える労力を節約する為に、
すぐに分かるようなことは、いちいち考えていないということです。
例えば、横断歩道で赤信号を見ると止まる方が多いです。
赤信号を見るたびに、「赤信号の意味は何なのか?」「そもそも、何故赤なのか?」
「赤は興奮色だから、赤信号は進むべきではないか?」などということを
赤信号を見るたびに考える人はほとんどいませんね。
このように、考えなくても分かるようなことは、
認知的近道という、即座に判断しているというのです。
赤信号の度に、考えない人は、全員が効率的な考え方をできる要素があるという事です。
ただ、これが悪い方に行くと、固定観念に至ってしまいます。
例えば、中国人という言葉を聞いて、「うるさくてマナーがなっていない」と感じる人もいます。
でも、中国人にも様々な方がいて、非常に物静かでマナーがなっている方もいます。
全員がそうではないのに、無意識に認知的近道を通って判断してしまうことが、
固定観念になっています。
精神疾患を患っている方の中には、生きにくいと感じる人もいます。
それは、うつ病などを患っている時に、怠けているだけだと言われたりした経験から
感じる方もいます。
実際には、うつ病を患っている時に、死ぬほどの辛い感覚を味わっている方もいます。
(実際に、自殺を試みる方や、自殺してしまう方もいます。)
そして、全員が全員、うつ病は怠けているだけと思っていません。
精神疾患は辛いことだと知っていて、理解を示して下さる方もいます。
認知的節約家として効率的な考え方ができるのは人の素晴らしい部分です。
しかし、それにより人を傷つけたり、偏見で見ないように心掛けたいと思う今日この頃です。