リスキーシフト

集団心理という言葉をご存知でしょうか。

集団の際に働く心理的な効果です。

 

例えば、運動会などの時、自分の所属するチームを皆で応援するとき

一体感を感じて、一生懸命に応援できて、勝ったら興奮したり、

負けたら非常に悔しい思いを感じることがあります。

 

これを一人で過ごしている時にも、同じ気持ちを感じる人もいますが、

一人でいる時には、そのような気持ちにならない人は、

集団の中でいるからこそ、このような気持ちになることがあります。

 

このような集団心理は、その集団の中にいる時だけではなく、

テレビやインターネットなどでも感じる場合があります。

例えば、普段はスポーツを観ないのに、

オリンピックや野球などのワールドリーグの時だけ盛り上がる方がいます。

これも一種の集団心理です。

 

自分から率先して応援する人は別ですが、

他の方が応援しているからと考えて応援し始めたのに、

興奮したり悔しい思いを感じる人には

集団心理の同調効果という心の働きが働いているかもしれません。

 

集団心理にはこのような様々な心の働きがあります。

例えば、集団的浅慮とは集団の凝集性という集団を引き付ける力を高めるために

正しい判断がされなくなることです。

明らかに駄目な判断なのに、口答えをすると組織が成り立たなくなるという理由で、

口答えをしなくなるなどです。

 

組織の中で上が不正を行っているのに、口答えせず黙るなどの状況の際に、

このような判断になることがあります。

昨年もこのような集団的浅慮で、現在も大変な企業があります。

 

他には、集団的極地という、集団が極端な考え方に傾いてしまうことがあります。

この中の一つにリスキーシフトという言葉があります。

 

リスキーシフトとは、この集団心理が危険な方向に働くことです。

個人では、そんな極端な想いを抱かないのに、

集団になった際には、冷静な判断力が無くなり、

さらには、その集団が極端な考え方の内、危険性の高い考え方になることを

リスキーシフトと言います。

 

日本でもあった、テロ事件などはまさにリスキーシフトが起こった可能性があります。

 

私たちは自分が集団心理に陥っていることに気付くことはほぼありません。

外部から見て、初めて集団として異常な行動をしていると感じ、

集団心理が働いていることに気付くことができます。

 

私も多くの所に所属をしています。

例えば、川西市民であり、日本国民であり、カウンセラーであります。

それぞれの立場で集団心理が働くことがあります。

 

ただ、後々に誰かのせいにせず、自分の行動に責任を取れるように、

集団での同町だけではなく、個人でしっかり判断して考えたいと思います。