無気力

ある方が

「最近の学生は非常に無気力で、覇気がない」

と嘆いていました。

 

その方は非常に活発でやる気があり、何でも積極的に取り組む方でした。

どんどんと周りを巻き込むことを得意としていたようです。

 

その方から見ると周りの学生は、

あまりに無気力に見えるようです。

そして、今までと同じ様に巻き込もうとしたけれども、

反応が薄く、本当に覇気が無い、と感じたようです。

 

これは、この方だけではなく、キャリアコンサルティングをしていると

企業の人事の方にお会いすることも沢山あります。

そのような方も仰っているのです。

どうして、このような覇気の無い人が増えているのでしょうか。

 

もちろん、本当に覇気がなくなっているかどうかも、

別の年代の方と比べた訳では無いので、分かりません。

さらに、今の若い方の中にも覇気がある方は確かにいますし、

情熱をもって行動している方も沢山います。

ただ、一方で覇気が無い方が多いとも感じます。

それは、毎年多くの若い方と出会う中で感じるのです。

 

この原因は何でしょうか。

覇気は、元気と言い換えても良いと思います。

この元気を感じるのは、意欲や熱意とも言えるかもしれません。

 

この意欲や熱意を呼び起こすには自己効力感を高める事が大切です。

つまりは、「自分は大丈夫」「自分はやれる」と思う気持ちです。

この自己効力感が低いと、覇気がなくなり、無気力感が強くなります。

 

このように述べると、今の若者は自己効力感が低いのは嘆かわしい・・・

そんな風に考えてしまうかもしれませんが、

この自己効力感が下がる原因は本人以外にもあります。

例えば、相手を肯定せず否定する言葉を言い続けると自己効力感が低くなります。

子供が褒められず、認められず、否定され続けると、自己効力感が下がっていきます。

 

さらに、悲観的な情報を与え続けることも自己効力感が低くなります。

例えば、あなたが大人になるときはしんどい時代が続く、

頑張ってもどうせ無駄、もう日本は駄目、

そんな風な情報ばかり小さい頃から与えられると破棄も元気もなくなっていきます。

どうせ、自分は頑張ってもどうしようもない世界に生きていると諦めてしまいます。

 

さて、私たちは周りにいる子供たちに、明るく楽しい未来を見せているでしょうか、

それとも大変で辛い未来を見せているでしょうか。

先日にみたニュースでは日本の借金が国民一人当たり800万円を超えたとありました。

もちろん、これは日本国の借金であり、国民の借金ではありません。

むしろ国債などで日本国から国民への借金に近いですが、

分からない人から考えると、何もしていないのに自分は800万円の借金を背負っているのかと思います。

 

今後、若い人にあなたたちは私たちの生活を支え、借金を返すために働かないといけないよ、

そんな風に言われて、やる気を出して、自己効力感を高めて成長しようと考える

若い方は増えると思いますでしょうか。

若い方の覇気のなさ、無気力はもしかすると私たちが行ってきた結果かもしれません。

 

若い方を見て、覇気がないと思うのであれば、

若い方が覇気を出したいと思えるような、自分たちの生きていく世界は明るいと思わせるような

そんな世界を見せられていない結果かもしれません。

そして、そんな世界を自分たちは作れるという自己効力感を高める必要があります。

大人たちこそ、無気力になっていないでしょうか。

 

まずは自分たちの無気力に向き合い、その無気力を改善してから、

子供たちにも影響を与え、数年後に社会に出る若者たちが自己効力感に溢れるように

やっていくことが大切かなと感じたました。