非常に悲しいニュースを見ました。
それは下記のニュースです。
「<抗精神病薬>知的障害児の1割に処方…「自傷防止」(毎日新聞)」
内容としては知的障害を抱える児童に対して本来は統合失調症に処方する
抗精神病薬をその症状が出ていないにも関わらず多量に処方している現状があるというニュースです。
この抗精神病薬を処方すると暴れている児童が一時的に落ち着くからという理由で
多量に処方されているようですが、そのせいで副作用が起こる可能性があるにも関わらず、
安易に処方されているようです。
現在の日本では、薬を安易に多量に処方する現状があります。
私もうつ病と診断された時には3種類の薬を処方されました。
その中の一つがSSRIでしたが、この薬は副作用も少なく、
飲み続けても平気で飲み合わせても大丈夫と説明がありました。
しかし、厚生労働省の平成22年9月9日に発表している資料
「過量服薬への取組」では世界が単薬投与が50%以上に対して、
日本は20%未満であります。
つまり世界中では極力薬を減らすことが当然の考えであるのに対して、
日本では80%以上のお医者さんが多数の薬を投与することが当然と考えているのです。
この原因として様々な要因があります。それは厚生労働省の資料を読まれると分かります。
ただ、この資料に書かれていない内容もあります。
例えば日本の医者が何故、世界では単剤投与が当たり前で多剤投与が危険であるとの認識にも関わらず、
日本では多剤投与が当たり前で、精神病患者には長期服薬が当たり前と考えているのか、
そこには踏み込んでいません。
その背景には、医者が製剤会社の営業からの説明で鵜呑みにしているケースが
ある勉強会で挙げられていました。
製剤会社は薬を作成した際に必ず治験を行い、効果や副作用を行います。
その結果を説明しますが、多剤投与や長期投与(3年間など)の治験は実施しません。
その為、一つの薬の良い所(SSRIは副作用が少なく、止めても平気)ということを説明しますが、
治験では長くても一か月であり、1年間の投与で中毒症状が出てしまったり、
別の薬と飲み合わせて深刻な副作用が出ても、分かりえないのです。
さらに、薬の良い所を単純に組み合わせて考えているので、
うつ病で眠れなくなっており、突発的に不安でしょうがなくなる人には、
抗うつ剤、睡眠導入剤、抗不安薬を三つ出せばそれぞれの症状に効果が出ると考えて、
処方されることもあります。
その三つを飲んだ結果、どのようなことが起こるか考えずにです。
平成22年に厚生労働省でこの資料が出てから、現在は平成28年の末です。
日本では変わらず薬の多剤、大量、長期投与が相変わらず続いています。
私は薬を否定している訳ではありません。
眠れなくて死にたくなる人には睡眠導入剤も必要だと思います。
しかし、安易な処方により深刻な副作用に陥る人もいます。
その状況が一刻も変わって欲しいと思います。
コメントをお書きください