心の鏡

数年前にも書いた事がある「心の鏡」というテーマですが、
最近、カウンセリングの指導をさせて頂いた際に、
ふとこの言葉が出てきたので、少し書かせて頂こうと思います。

この言葉を聞いたのは、北山修先生の最後の授業という番組を見た時です。
現代では様々な所で自分の見た目を確認することができます。
例えば、電車の中でも手鏡やスマホで自分を確認している方がいます。

誰でもスマホで自分の写真や他人の写真を撮り
それを即座に確認することができます。
さらにそのような写真をSNSに載せ、様々な人から
どのように見られているかを確認することができます。

自分自身の外見や、自分が周りからどのように見られているのか
それを確認することができます。

一方で、自分自身の心の中を見る機会は少ないです。

自分はどういうことが好きで、どういうことが嫌いかを
どうしてそれが好きになり、どうしてそれが嫌いになったのかを、
そして、自分はどういう事にしんどいと感じ、
どのようなしんどさは乗り越えられ、
どこまでのしんどさは許容できるのかを、
分かる人は少ないです。

自分の内面を写す鏡はありません。
どのような検査でも心の中を見ることはできません。

では、どうすれば自分の心の中を見ることができるのでしょうか。
それは、人を通して見ることです。

自分のことを話し、聞いてもらいながら、
自分の心の中を話していき、少しずつ整理していくことで、
自分のことをより深く知ることが出来ます。

その為には、しっかりと話を聞き、
ゆっくりと整理に付き合ってくれる人が必要です。

自分のことを知らないと、自分自身の課題が何なのか、
どのように課題を乗り越えればいいのか分かりません。

その、自分を理解してもらう手助けや、心の整理こそが、
カウンセラーの本分だと思います。
その+αとして、気付いていない視点を提示したり、
アドバイスがあると思います。

その為、カウンセラーは心の鏡であるべきだと思っています。
問題や課題の答えはクライエントの中にあります。

その答えを見付けられるように、カウンセラーは心の鏡として、
しっかりと心を写し返せるように、自分の心を磨くことも必要です。
その為、私も自分の心を磨こうと考える今日この頃です。