相談の目的

相談の目的は何でしょうか。

抱えている問題の答えが欲しいから相談をするのでしょうか。

それとも、それ以外の目的があるのでしょうか。

 

私は現在、カウンセリングの指導も行なっております。

キャリアカウンセラーになるための試験として、実技指導を行なう中で、

どのような姿勢で話を聞くことが必要か、

どのような聞き方、クライエントへの伝え方があるか

僭越ながら、教えさせて頂いています。

 

このような事をしている中で、非常に多い事が、

相談を乗る方の中には答えを見付けないといけない、

相談されるからには、何らかのアドバイスをしないといけない、

そのように考え、焦り、話を聴いているけれども良い答えや、

アドバイスが思い浮かばないときに、

何も話せなくなってしまう方がいます。

 

しかし、クライエント、いわゆる相談をする人は必ず答えが欲しくて聞くのでしょうか。

それとも、別の言葉が欲しいのでしょうか。

 

そんな中、ある方のお話を伺いました。

その方には、高校生になる娘さんが居て、

その娘さんから勉強の事で相談されたそうです。

 

その相談に答えようとお母さんは一生懸命にお話を聞き、

どうすれば勉強できやすいか、成績が伸びるか考えて、

一生懸命にアドバイスをしたそうです。

 

そうするとその娘さんは、

「そんな話は塾でしているから、いらない!

 話を聞いて!」

と言ったそうです。

その時に、ただ、話を聞いて欲しかったんだと気付いたそうです。

 

私たちは人に相談するときに、悩みの解決や、アドバイスが欲しくて相談する時もありますが、

自分で解決しないといけないと分かっているときや、

どうしようもないと分かっているときにも相談をする時があります。

そんな時は、ただ、話を聞いて欲しかったり、

自分が話す事で自分の心の整理をつきたい時があります。

 

相談の目的は人それぞれです。

その目的を理解しようとせずに、何とか回答しようと考え、

せっせとアドバイスをする事は、相談者が本当に相談したいことを話す機会を

邪魔することに繋がるかもしれません。

 

相談の目的は何か、考えて話していくように

心掛けて頂ければと思います。