獲得的セルフハンディキャッピング

大事な試験を前にして、集中しないといけないのに、

集中ができない。

納期が迫った仕事があるのに、部屋の片づけを無性にしたくなる。

そんな状況に陥ったことはありませんでしょうか。

 

私はしょっちゅう、その様な経験をしていたいので、

本当に嫌になります。

残り5時間で頑張れば終わる仕事が目の前にあるのに、

何故か急にお腹が減ったり、眠気があるので30分寝てからしようと考えて、

眠ってしまったりしていました。

 

今では、それで非常に痛い目をたくさん経験したので、

やらないと大変なことになるぞ!と自分にはっぱをかけて、

何とか行動をするようにしています。

 

さて、このような症状にも実は名前があります。

それは、獲得的セルフハンディキャッピングと言います。

ハンデキャップという言葉は聞いたことないでしょうか。

例えば小さい子と遊ぶ時に、相手が有利になるように

自分に枷を科すことをハンデキャップと言います。

そのハンデキャップを正式にはハンディキャッピングと言うそうです。

私は英語が弱いので、そうなんだと感心しました。

 

さて、この獲得的セルフハンディキャッピングですが、

これは自分で自分にあえて目的を達成できないような状況を作り出しているのです。

その背景にはいろいろな要因が考えられます。

例えば、あえてハンデキャップを背負うことにより

いざ目標が達成できなくても

「本気を出していなかっただけ」「今回は実力を発揮できなかった」

という言い訳を用意できるので、

目標を達成できない自分と向き合わなくて済みます。

 

他には、昔から堪え性がなく、とにかく安易な快楽を得ている方がいたとします。

お菓子が欲しい時には泣けばすぐに貰えたり、

勉強が嫌な時には、すぐに遊んでも怒られなかったり、

いつか頑張るだろうと甘やかされ続けていたとします。

そうすると、いざ頑張らないといけない時にも

安易な快楽があると、そちらにすぐに流れてしまうという場合もあります。

 

さて、もし試験前に部屋の片づけをしてしまっていたとしたら、

皆さんの心の中にはどのような要因が潜んでいるのでしょうか。

 

ただ、よく考えて下さい。

獲得的セルフハンディキャッピングを続けている限り、

目標を夢を達成することは限りなく不可能です。

一方で、しんどくても、ダメな自分と向き合うかもしれなかったとしても、

真剣に取り組み、挑戦すれば、いつか目標が叶うかもしれません。

 

もし心当たりがある方は、一度ご自身と向き合ってみて、

なぜ、自らハンデキャップを背負っているのか考えてみて下さい。

そのようなことを、とあるクライアントと接するときに感じた今日この頃です。