アドラー心理学

先日、嫌われる勇気の著作者である北見一郎先生の講演会に参加してきました。

 

その中では先生の実例を交えて、人を操作しようとしてもできないということや

叱ること、褒めることの弊害などを分かりやすく話して下さり、

面白いだけではなくしっかりと勉強にもなりました。

 

この岸見一郎先生はご存知の方も多いと思いますが、

アドラー心理学を学んでおり、嫌われる勇気もアドラー心理学で述べられている内容を

分かりやすく書かれている書籍となります。

 

このアドラー心理学は実践の心理学として、非常に効果的だと言われています。

私はそこまで深くは学んでいないので、はっきりと述べることはできませんので、

詳しくは先生の著書を読んで頂いた方が良いと思います。

 

ただ、少し注意をして欲しい事があります。

それは、心理学を学ぶ際には、書いている事を何も考えず全て鵜呑みにするのではなく、

きちんと理解をして欲しいです。

 

例えば、先ほど褒めることの弊害を伝えました。

褒めることは何がいけないのでしょうか。

それは、褒めるという行為の中に対等な関係が無く、

上下関係が存在するためです。

 

ある親子が居たときに、親宛に電話が掛かってきて10分ぐらい子供を待たせていたとします。

その電話が終わった後に、親が「よく静かに待てたね。偉いね」と褒めたとします。

この褒め方を良いと感じる人もいるかもしれませんが、

 

この対象が子供ではなく、大人や皆さんだとして、10分間待った後に

「よく静かに待てたね。偉いね。」と言われると馬鹿にされているような気持ちになりませんでしょうか。

これが、アドラー心理学でいう上下関係であり、この褒め方はやめるべきということです。

 

他にも子供を褒める行為には「今後も静かに待つように」というような操作性も意図させてしまう場合があり、

駄目だとも言われています。

 

では、どのようにすべきかという時に、「感謝」をするという事です。

「待っていてくれて、ありがとう」という言葉には上下関係が無く、ただの感謝があるだけなので、

感謝などが良いとされています。

 

この話は一般的にアドラー心理学を勉強された方は聞く話です。

しかし、この話だけから「褒めてはいけない」と鵜呑みにすると、大きな勘違いが生まれます。

 

例えば、イチロー選手がメジャー通産3,000本安打という非常に大きな記録を達成されました。

その時に非常に多くの方が「イチロー選手、凄い」「イチロー選手、さすがです!」と言いました。

これは感謝の言葉ではありませんね。どちらかというと褒めている言葉になると思います。

しかし、この褒めるには上下関係は存在せず、存在したとしても自分が下でイチロー選手を見上げている

状況ではないでしょうか。

この「褒める行為」は果たして駄目でしょうか。

 

ただの、素直な心の声として感嘆のような気持ちで、相手を褒めるときに、

そこには上下関係は存在しません。

この感嘆のような褒める気持ちを伝えたとしても、相手を操作しようという気持ちは生まれません。

 

心理学を学ぶときには、言葉を鵜呑みにして学んだ気持ちになるのではなく、

きちんと理解し、実践に移すことが大切だと私は思います。

そうすることで、初めて対人関係が好転したり、自身の価値観が広がっていくからです。

 

私も岸見先生の講演会で、僅かではありますが、アドラー心理学を学ばせて頂きました。

今後は、私もしっかりとアドラー心理学を勉強し、

皆様の支援に役立てていきたいと考えています。