金剛石は固いけど、脆い

傍目からは物凄く頼りがいがあり、ストレスに強く、

しっかりしているように見える方がいます。

そのような方が、突然、心の病になって休むと

周りから酷く驚かれるという事を幾度が聞いた事があります。

 

私の所に相談に来る方の中にも、

体育会系といえばよいのか、がっしりとした体調の方もいます。

体を動かしている方とか、スポーツマンだから心の病にならないという訳ではないと感じます。

 

そんな時に、タイトルの言葉を思い出しました。

金剛石(ダイヤモンド)は非常に固いけれども、炭素なので、

火にかけるすぐに燃えてしまいます。

鉄はダイヤモンドほど固くなくても、火にかけても熱を持つだけで、

燃える事は無い。

 

大切なのは、適度に固く、適度に柔軟で、環境が変わっても応用が効くことです。

 

周りに頼られ、目標があれば非常に頑張り、リーダーシップを発揮しながら、

非常に困難な目標、大会での優勝を達成した経験から、

強固な精神が培われたとしても、それは厳しい運動を耐え抜く精神です。

 

仕事の中の人間関係の悩みは、厳しい運動を耐え抜く精神とは別の精神になります。

また、今までは自分が決めた目標に向かってはどれだけでも頑張れたとしても、

配属された先の仕事の目標に向けて頑張るというものになると、

また違った頑張りが必要です。

 

大きなことを達成していたり、多くの困難を乗り越えてきた人は、

別の困難も乗り越えられたり、別の事でも実績を出せることが多いです。

ただ、それは必ず困難を乗り越えられるわけでも、実績を出せるわけでもありません。

 

一見すると、大丈夫なように見えても、

そして、自分自身も非常に困難な目標を達成した経験があっても、

必ず大丈夫と言う訳ではありません。

 

金剛石のように強固な精神力を身につけていたとしても、

圧力に打ち勝つ事はできると思いますが、

火に掛けられる状況だと、すぐに燃え尽きてしまいます。

 

自分は大丈夫と信じることは大切です。

過去の、困難を乗り越えた自分を誇りに思うことも大切です。

しかし、自分自身を過信して無理をし過ぎるといつの間にか

燃え尽きてしまうかもしれません。

 

炭素が金剛石になるには、非常に長い期間を費やすか、

高温高圧状態を作り出すなど、多くの労力が必要です。

同じように、一度、燃え尽きた自分自身の心を立て直すにも

休息や通院、カウンセリングなど多くの時間が必要です。

 

自分自身の強さ、硬さと共に、

自分自身の弱さ、脆さも知り、

頑張るだけではなく、休む、手を抜く、程ほどにするなどの

柔軟性も身につけて頂きたいと思います。