叱り方のセミナー

セミナーなどでよく聞く有名な名言があります。

 

「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」

                            元帥海軍大将 山本五十六


山本元帥に関して、賛否をお聞きしますが、
お会いした事が無いので、私は何とも言えません。

しかし、この言葉に関して、的を得ていると思うので、
私もセミナーでご紹介させて貰っています。

 

 

最近、頻繁にお問合せ頂くセミナーが、

タイトルの「叱り方」セミナーです。

そんなに叱りたい人が多いのでしょうか。

 

という冗談はさておき、

部下や後輩の教育で悩む方が多く、

叱り方ひとつで、すぐに辞めてしまったり、

挫けてしまう人が多くなっています。

 

どのように叱ればいいのか、

教育すればいいのか、悩んでいる人が多いのでしょう。

 

その中で、良く言われている事は、

その人自身を叱るのではなく、出来なかった事実、つまり事だけを指摘し、

叱る事です。

『ヒト』を叱らず、『コト』を叱るのです。

 

例えば、

遅刻してきた時に、「遅刻する奴は社会人としての意識が欠けている。社会人失格だ!」

という風に、遅刻を叱るのではなく、人を叱ると、辛く感じます。

 

そこで、「遅刻の何が悪いと思う?今後は遅刻をどう改善するんだ?」

と、遅刻という事実に目を向けて、叱るのです。

 

ただ、この部分だけを聞いても、なかなか実践出来ている人はいません。

中には、

『自分はこういう風に厳しく怒られて成長してきた。

だから、後輩や部下にも成長して欲しいから、同じように愛情を持って叱るんだ!』

という方もいました。

 

もし、そう思うなら振り返り考えてみて下さい。

ご自身は、自分を成長させて下さった先輩の能力を追い抜かしており、人としての器も大きく、

人の機微を読み取れる人材になっている自信はありますでしょうか。

もしかすると、そこまで到達していないのに、方法を真似しているだけになっていませんか?

 

ドキッとしたのなら、方法を真似る前に、

目の前の後輩や部下と向き合っていきましょう。

 

 

 

そして、もう一つ、出来て当然という思い込みを消し去る事です。

 

社会人として当然、自分が新入社員の時はこれぐらい出来た、

なんて思い込みを持って、部下に接したり、叱ると、

それは成長の為ではなく、自己満足での叱り方になります。

 

例えば、私が『傾聴して下さい』とお願いして、

皆さんが出来なかったとします。

それを私が

『人として生きてきて、傾聴できるのが当たり前です。

 ただ、真剣に人の話を聴く事ぐらい、どうして出来ないんですか。』

なんて言われたら、腹が立つだけで、成長に繋がりませんよね。

 

自分が今、出来ている事は相手も簡単に出来る事ではありません。

むしろ、振り返ると自分も実は躓いていたり、迷惑を掛けていた事を思いつく事の方が多いです。

 

同じ目線に立って、

『自分も同じだった。失敗して悔しかった。だからこそ、お前も乗り越えられると思う』

という出来なくて当然。ただ、信じて叱る事が一つの良い叱り方だと思います。

そして、出来なくて当然と思うからこそ、丁寧な教え方、教育に繋がってきます。

 

これ以外にも、幾つか部下を動かす叱り方はありますが、

そちらはセミナーで。

 

春から新入社員や部下を雇い、

叱り方に悩む人も多いかと思います。

 

叱る方、叱られる方の両方がストレスで辞めてしまうと元も子もありません。

お互い成長できる関わり方を考えていって下さいね。