カウンセラー、分析家が心掛けるべき事

精神科医、心療内科、心理カウンセラー、心理セラピスト

心の専門家に分類される人は多数いると思います。

ただ、その誰もが、目の前の人の本心を完璧に読み取る事が出来ません。


ただ、多くの方は、クライエント、依頼者、患者と信頼関係を築き、

治療していく事を心掛けていくと思います。


その際に、注意する事は多々ありますが、

その中の一つが最近、心に留まる事がありました。

それは、目の前の方の言葉を信じないという事です。


相談に来た方が、悩みを話しながらも明るいトーンで話し、

「もう済んだ事だし、大丈夫なんですけどね!」と話された時、

目の前の方と信頼関係を築きたいと心掛けながら、

目の前の人の言葉を疑うという事ができるでしょうか。


これを目の前の人を信じてしまうと、

「もう済んだし、大丈夫なことだと思っているんですね」


ただ、目の前の人は、お金を払いながらでも相談したい、

時間を割いてでも悩みを聴いて欲しい、

そう思ってきている方は、例え大丈夫と口では言っていても、

何とかしたいと思っていることはある、と私は思います。

それに対して、「大丈夫」と言っているから「大丈夫」だと思うことは、

早計かもしれません。


表情、口調、言葉の間、衣服の乱れ、

様々な所に、様々なサインがあります。

それらにも目を配り、目の前の方の言葉だけを信じない。

それもカウンセラー、分析家が心掛けるべき事かもしれません。


目の前の人を信じ、信頼関係を作り、自己一致した状態で相手を受け入れる、

同時に、目の前の人の言葉だけを信じず、目の前の人の言葉に偽りがあるかもしれないと思い、

目の前の人の言葉は、目の前の人が感じた部分を示しているだけで事実ではないかもしれない、

そのようなもう一人の自分を作り上げながら、カウンセリングをする。

難しいですね。


これをクライエントの方が知ると、私の事を信じてくれないのですか!と

怒ってしまうかもしれません。

しかし、クライエントの認識と周りの方の認識のズレが、

今のクライエントのしんどさに繋がっている場合、

周りの方との人間関係で悩んでいる場合が多いです。


カウンエラーが信じすぎると、その違いに気付かず、

最も大切な支援が出来ない可能性があるのです。


クライエントの為にも、受け入れながら、信じすぎない。

そのような対応が必要なってくるのです。


私もまだまだ、未熟ではありますが、精進し、

本当の意味で、クライエントを心から支援できるカウンセラーを目指している毎日です。