丁度良いタイミングでの転機

カウンセリングに来られた方の中に、

「こんな風に思えるのなら、もっと早くに相談にくれば良かったです」

自分自身を苦しめる思い込みからカウンセリングの中で開放された方が、

このような嬉しい言葉を投げ掛けて下さる場合があります。


カウンセリングの中で、私という鏡を通して、

自分自身の凝り固まった部分を見つけて、こんなに固くなる必要は無いじゃないかと気付き、

少しずつ変化していく、そのような場面に立ち会った後に、

先の言葉を投げ掛けて頂くときが多いです。


もっと早く楽になれていれば、

もっと早く気付いていれば、

そのように感じてしまいますね。


でも、時々思うことがあります。

丁度良いタイミングではないと気付いたり、変わったり、

カウンセリングの効果が現れるという転機が訪れないのではと。


例えば、少ししんどいぐらいでは、

自分自身を変えていこうとまで考える人は少ないです。

ただ、今、本当にしんどいからこそ、

何とか変えたいと思い、行動するから、

私に対して真剣に、自分の素直な思いを話し、

振り返り、気付きに結び付いていきます。


もしくは本当にしんどい時には、なかなか考えることすら出来ません。

例えば怪我をした瞬間に、何故怪我をしたのかゆっくり考える暇はないですよね。

まずは、止血し消毒し治療して、ひとまずは大丈夫な状態になってから、

何故、大怪我を追うようなことをしてしまったのか考える事ができます。

血を流しながら、原因を考える事はできません。


同じ様にうつ病でしんどい時には、ゆっくり考えられません。

まずは思いの丈を話し、ただ受け止めて貰い、落ち着いて、

そして出来れば、休める環境になってから

ようやく振り返ることができたりします。


不眠症で常に頭がぼんやりしている状況で、

カウンセリングを試みても、なかなか上手くいきません。

薬を飲み、眠ることができてから、ようやく話すことができます。


今、カウンセリングに来ようと考え、来てくれた。

それが、丁度良いタイミングかもしれません。

そのタイミングを逃さずに、一緒に良くなっていきましょう。