命と向き合う授業

3月29日にNHK教育テレビで「命と向き合う授業」が放映されていました。

被災地の中学校で、卒業を間近に迫った中学生が

命と向き合う授業を通して、震災で家族を失った事や

自分の人生に対して不安や死にたいという気持ちなどを

作文にしてクラスの中で共有し、

さらにクラスメイトが書いた作文に感想を書いて共有するという取り組みをしていました。


この授業の1回目、2回目はこんな事を書いていいのかという感じで

恐る恐る書いている学生が多かったのですが、

3回目ぐらいから自分自身が感じている本音。

家庭の中で居場所が無い、愛されていないと感じる。

死にたい、生きている意味はあるのか、という事を書く学生も居て、

その学生に対して友人たちが率直な意見を書き、

その授業が終わった後でもメールで自分たちの意見を伝えていました。


その結果、その学生は親の為に生きる事が自分の人生じゃない、

友人も居る、夢もある、その為に生きようと思えたようです。


皆さんは、このような生きる意味や、死にたいという気持ち、

自分は必要とされていないんじゃないだろうかという事を考えた事はありませんか?


もしくは、考えを共有したり、

誰かから死にたいという気持ちを聞いた時に、拒否せず励まさず突き放さず、

しっかりと話を聴いた後に、世間一般的な常識ではなく、自分自身の意見を伝えた事はありますか?


多くの方が若い頃から、このような思いを抱えながら、

相談する相手、聞いてくれる相手がいなくて、

大人になってもこのような気持ちを持ったまま、悩んでいる方も多く、

沢山の方がカウンセリングに来られます。


私は、このような命と向き合う授業は素晴らしいと思いますし、

多くの学校で取り組んでいただければと思います。

そして、その授業を行なう先生は死ぬ事は良くないなど一般論を言うのではなく、

しっかりと学生の考えに耳を傾け、自分の意見を言える先生に行なって欲しいと思います。


死について、触れる事は一般的にはタブーのように扱われます。

自分自身が死にたい気持ちを抱えていると世間で話すと白い眼で見られてしまうこともあります。

そのせいで、多くの方が自分の意見を分かってもらえない、世間から受け入れてもらえないと感じながら、

生きている方もいます。


もう少し自分の本音をぶつけて、死にたい気持ちもあると受け入れて貰える社会、

自分の辛い事を話し、相手の辛い話も受け入れる社会、

そのようになれば、多くの人が生きやすい社会になるのではないかなと考えています。


皆さんは命と向き合ったことはありますか?

そんな事を考えさせられたテレビ番組でした。

機会があれば是非ともご覧になってください。