「教え育てる」こと

「職業訓練大学」という言葉をご存知ですか?

私も名前だけは聞いた事がありましたが、詳しい内容は知りませんでした。


仕事に役立つスキルを身に付ける事に注力する大学かと思っていました。

例えば大学生の時から社会と接点を持ち、

社会に役立てる交渉力や論理的思考を育てるのかと思っていました。


しかし「職業訓練大学」はそのような大学ではなく、

文学部は観光地で必要となる語学力や観光地の名所案内の書き方を学ばせ、

経営学部には簿記や弥生会計ソフトを学ばせるというモノでした。


教育は「教え育てる」事です。

大学は高等教育に分類されており、より高度な人材を教え育てる場所とされています。

もちろん、全ての大学がこの役割を果たせている訳ではないと思います。


職業訓練大学の考え方は教え育てるという事を放棄し、

会社が欲しい部品を育てる為の場所にという考え方のように思えます。


職業訓練大学は全ての大学に適用される訳ではありません。

G(グローバル)型大学とL(ローカル)型大学に分かれ、

G型大学は従来型の高等教育の大学として専門的な知識を教育します。


一方のL型大学を今回の職業訓練大学にしようという考えです。


私はこの考え方には賛成できません。

カウンセリングではその人本来の力を信じます。

高校の時までの学びで、その人の一生が決まるとは思いません。


現在、L型大学と考えられている所からも、

日本を変えるような人材が生まれるかもしれません。

その芽を、勝手な都合で他人が摘むことには賛成できません。


このような職業訓練大学を導入して可能性を摘むのではなく、

むしろL型大学と分類されている大学が、

高度な人材を育成する仕組みを真剣に考える事の方が

現在、必要な事ではないかと考えています。


一人ひとりが、幸せを感じられるような仕組みや

社会のあり方を本当に考えて欲しいと思っています。