「計画された偶発性」理論

プランドハプンスタンス理論を聞いた事がありますか?

「計画された偶発性」理論と日本語で表すそうです。

 

スタンフォード大学のクランボルツ教授が、発表した理論で、
『個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される』というものです。

それまで、キャリア(=仕事の面から見た人生)は、「自分自身で意図的に職歴を積み上げて形成するもの」
という考え方が一般的でした。

言い換えると、「自分の能力や適性などをしっかりと分析していけば、目標やステップアップの道筋までが
はっきりする」というものだったのです。

 

それが、クランボルツ教授は、8割は意図的に積み上げる事ではなく、
予期しない出来事や偶然の出会いなどの偶発的な事で決定されると全く違う事を述べられたのです。

 

では、偶発的な事だから、何もせずに待っておけば良いのかというと、そういう訳ではありません。
むしろ逆に、このような予期しない出来事や、偶然の出会いを積極的に触れ合う事で、
自分自身のステップアップに繋げる事が必要とする理論です。

 

その為には、下記の内容が必要と言われています。
① 好奇心  ―― たえず新しい学習の機会を模索し続けること
② 持続性  ―― 失敗に屈せず、努力し続けること
③ 楽観性  ―― 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
④ 柔軟性  ―― こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
⑤ 冒険心  ―― 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと

何となく日本では、良い大学に行って、良い企業に入ってと言う話があるように、
計画的にキャリアを積んでいくという形があり、
さらに失敗をすると、挽回しづらいという話を聞くこともあります。

 

ただ、この理論では、全くの別の事を説明しています。
クランボルツ教授は、変化の激しい時代で計画されたキャリアに固執する事は
視野を狭める事に繋がると言っているそうです。

 

現代の日本は変化が激しい時代であり、
5年前の時点で、現在の日本を予測できた方はいないでしょうし、
5年後を確実に予測できる方も同じくいないでしょう。

 

それならば、私たち一人ひとりがキャリアの考え方を変えていき、
積極的に偶然の出会いや予期せぬ出来事を体験する為に、失敗を繰り返し、
新しい自分自身を手に入れ、自分が楽しいと思える人生を得ていければと思います。