俗説・神話を否定する事の難しさ

私たちの最も身近な脳に関して、質問をさせて下さい。
以下の文章は合っているか、間違っているか、を考えて下さい。

 

1.われわれは脳の10%しか使っていない。 
2.刺激の多い環境が未就学児の脳の発達を良くする。 
3.個人の好みの学習スタイルで教えられた方が、学習効果は高い。
それは聴覚、視覚、ないし運動感覚の別を問わない。 

 

これの答え、全て×となります。
http://jp.wsj.com/public/page/0_0_WJPP_7000-550485.html

 

私は殆ど○なのかなと思っていたので、驚きました。

 

1は、脳は10%しか使われていない訳ではなく、使用の多寡は変わるが、全て使われているそうです。
本当に、使われていないのであれば退化するそうで、モグラの視覚みたいになるようです。
言われれば納得ですね。

 

2は、勘違いしている人が多いそうです。これは、何もない室内で育った子と
色々と興味深いモノが置いている部屋で育った子は、比較すると興味深いモノが置いている部屋で
育った子の方が発達はしているそうです。
ただ、屋外の自然の中で普通に遊ばせる場合と比較して、

室内で多数の刺激(就学用にビデオを見せるなど)をしても

屋外の自然の中で遊ぶ場合と比較して脳は発達していないそうです。
ですので、2も厳密には間違いだそうです。

 

そして、3も実際の教育の現場で最も信じられている内容だそうですが、各種の実験の結果、
好みの学習スタイルに合わせても学習効果は高まらないそうです。
そして、最も皮肉な事に神経学や脳科学に最も熱心な教師ほど、この神話を信じているそうです。

 

これは心理学の中でも同様の事が言えると思います。
心理学の中でも、様々な神話があり、それを信じている人には、
否定する事実を伝えたとしても、なかなか信じてもらえません。

しかもそれは、勉強熱心な人ほど、考えを改善しにくいのです。

 

例えば、血液型性格判断や、
うつ病などの精神的疾患は心の弱い人がなる等の特に根拠が無く、
でも何となく当たっていそうな事を信じている人がいるのです。

 

精神疾患は心の弱い人がなる病気で、
自分は何度も苦痛を乗り越えてきて、心が強いから、病気になるはずが無いと思っているのです。

 

ただ、精神疾患は風邪のように、誰にでもなりうる事なのです。

心理的な理解を深めて貰う為には、

多くの俗説・神話と戦っていく必要があるのかなと考えています。