感動したい

私は幼い頃から、よく旅行に連れて行って貰いました。
このように書くと裕福な家庭に育ったように感じるかもしれませんが、
7人家族が全員、ワゴン車に乗り込み、車でずっと移動する旅行です。

 

寝泊りは車中泊で、ご飯は携帯コンロでお湯を沸かして
インスタントラーメンを食べたり、ご飯を炊いてレトルトカレーを食べて過ごすのです。
お風呂は真夏ですが一週間程度は入らず、海があれば泳いで、
最後に水道から組み入れた水を20リッターのタンクに詰め込み、
その水を浴びて体を洗ったり、お湯にして食事に使います。

 

所謂、貧乏旅行です。
ただ、ずっと車中泊では、子供たちが不平不満を言います。
そうすると、どうなるか。子供たちから両親に交渉をするのです。
どれだけ民宿(ホテルや旅館は高額なので即却下)に泊まりたいかを伝え、
予算幾ら以内なら泊まらせて貰えるかを話します。
そして両親が折れると、子供たちで宿を探し電話をして予約先を探します。
そこで見事予約が取れると、念願の民宿泊となり、車中泊から一日だけ解放されるのです。

 

ここまでお話をすると、毎年のように旅行に行って羨ましいと言っていた人も
「逞しいですね・・・」という言葉に代わり、羨ましいという言葉が無くなる事が多いです。

 

ただ、このような貧乏旅行ですが、非常に感動する事も多かったです。
初めて出雲大社に行った時には大きな神社に感動し、
日光に行った際には、そこら中に猿が居る事に驚くと共に日光東照宮の凄さに感動し、
竜飛岬で早朝に渡り鳥の群れを見た時には、空を見上げながら、口をポカーンと開けていました。
阿波踊りを会場で見た時には、凄くワクワクし、
鹿児島の親戚の家に宿泊し、盆踊りにも参加した事は今でもしっかり覚えています。

 

貧乏旅行でしたが、驚きと感動に溢れていました。

 

私は最近、旅行になかなか行けていません。
忙しいという理由はありますが、それはただの言い訳でしょう。
車中泊や野宿も覚悟をすれば、何処にでも行けます。

 

行きたい所は沢山あります。参加したい、見てみたいお祭りは沢山あります。
死ぬまでに行ってみたい世界の素晴らしい景色は尽きる事がありません。
私が知っている事は、世の中から見れば、ほんの僅かな事です。

 

私の心が新しい事に触れて感動したいと騒いでいるように日々感じています。
明日から8月です。旅行シーズンであり、沢山の地域でお祭りが開催されます。
近くでも良いので、どこか素晴らしい景色の所か、どこかのお祭りに行き、
味わった事の無い雰囲気を味わおうかと考える今日この頃です。