常識、当然、一般的、世間的、
世の中にはあたかも正しいと思われているような知識や考え方が存在します。
ただ、時に私はその考え方に疑問を感じています。
それは常識も、常に同じではなく、時代によって変わると考えているからです。
では、正しい事とは、何なのでしょうか。
昔は子供が悪い事をした時に、他人が叱ったとしても問題はありませんでした。
最近は、叱られた子供が親に訴え、親が通報し、問題になった事例もあるようです。
常識は随分と変わりました。
知識に関しても同様です。教科書に記載されている内容や、
大学で教わる専門的な知識も、現在分かっている範囲での内容のため、
新たな発見や、考えが見付かれば内容も変わります。
常に変わらぬ正しい事は、もしかしたら無いのかもしれません。
私は以前に、このブログで薬物とカウンセリングの混合治療をお話した事があります。
ただ、最近になり、新たな経験から考え方が大きく変わりました。
それは、極力、薬物治療は避けた方が良いという考え方です。
離脱症状という言葉を聞いた事がありますでしょうか。
これは薬物治療をおこなった際に、薬物を止め始めた時に発生する副作用な症状です。
精神的な薬に多く発症するようで、その副作用の内容を聞くと、
うつ病と同じような症状が表れる事があります。
うつ病を軽減する為に薬を服用するにも関わらず、
数年服用し、症状が和らいだ為に、服用を止めた時に、
再度、うつ病と同じような症状が表れ、それを離脱症状と知らずに
精神科医が再度、服用を勧める事もある事を知りました。
それ所か、精神科医自体が離脱症状に関しての知識が無い場合も多いです。
ただ、これはどうにもならない事かもしれません。
その理由は、臨床心理士は離脱症状に関してあまり勉強を教わらない為です。
一部のアルコール依存症や薬物依存症に関して離脱症状により幻覚などが生じると勉強しますが、
SSRIを4週間服用しただけで離脱症状により頭痛・自殺念慮・悪心が起こる可能性があるとは教わりません。
その医者に取って教わっていない事なので、
実際に起こっている離脱症状でも、それは正しい事ではなく
医薬品会社から聞く臨床実験の結果が正しい事になってしまうのです。
さらに、多くの国では50%以上が単剤治療をおこなっており、
日本では単剤治療が20%未満で、複剤治療を基本にしている国は珍しい事は全く教わりません。
厚生労働省 「過量服薬への取り組み」より(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jisatsu/dl/torimatome_5.pdf)
果たして、正しい事とは何なのでしょうか。
そんなモノは存在しないかもしれません。
では、どうすればいいでしょうか?
正しい事という幻想にはすがらずに、一つ一つを自分で判断し、
誤っている思った時には、誤りを認め、行動を変化し、
自分で責任をもって選択する事しかないのかもしれません。
今回は専門的な内容が多くなり、非常に申し訳ないと考えますが、
それ程に、今回の内容は私に大きな衝撃を与える内容でした。
しかし、私の目の前に離脱症状で苦しむ方がいる為、私の中にあった知識や正しいと思う事を、
改めなくてはいけなくなったのです。
もし、皆さんの中に、正しいと思っていたけど、違うかもしれないと悩む事が起こり、
誰かに相談したいと思った時には、ご協力させて頂きます。
時には、正しいと思っていた事を、誤っている事と認める事には苦痛を伴います。
ただ、その苦痛は決して無駄ではなく、今後の為に必要な苦痛だと思います。
私も味わいます。一緒に考えさせて下さい。
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